2020-01-01から1年間の記事一覧

道澄寺梵鐘銘文の訓読について その3

以下は、十数年ぶりに、知り得た原文から自分なりに読み下したもの。前出論文の返り点とは、第4面の一部が異なる。やはり第2面の3・4行と第4面がよく分からない。 かなりあやしい解釈のようなものも付けたが、果たして如何。 道澄寺梵鐘銘文 訓読試行 道澄寺…

道澄寺梵鐘銘文の訓読について その2

道澄寺梵鐘銘文は国立国会図書館デジタルコレクションで見ることができる。これは拓本のようなのだが、陰刻のように白黒反転してあり、区画に分かれていない。 → 道澄寺鐘銘 - 国立国会図書館デジタルコレクション また以下に、「途上~書の道~書のことあれ…

道澄寺梵鐘銘文の訓読について その1

「道澄寺梵鐘銘文」については、平成19(2007)年に一度訓読を試みたことがある。義理の従兄弟の鈴木氏から、遠縁のA氏が訓読を試みているので手伝ってくれないかというような依頼をされたのだった。今はお二人とも他界されている。 A氏は、鈴木氏の先祖で左…

1945年8月15日以降の韓国における農地改革(朝鮮半島における土地制度の変遷)その5

② 併合以前 朝鮮半島の土地制度について、韓国で書かれた論文を見てみる。以下は「韓国における農地制度の変遷過程と発展方向」(韓国農業基盤公社、農村綜合計画処、地域戦略チーム責任研究員、農学博士、李錫注)からの引用である。16頁の内最初の1頁を併…

1945年8月15日以降の韓国における農地改革(朝鮮半島における土地制度の変遷)その4

⒉ 地主・小作関係の変化 ① 秋収員と舎音 (下に追記あり) 朝鮮半島における地主・小作関係を見るにあたって、「秋収員」と「舎音」という、朝鮮独特の制度を知らなければならない。今これに限って書くが、秋収員と舎音の呼び名は様々で、「収秋看」とか単に「…

雑感 2020年12月19日 米大統領選挙

朝鮮の土地制度の変遷。ある程度で切りをつけて、と言ったものの、調べるほどに分からない、知らないことばかりで、遅々としてまとまらない。調べる範囲が広がるばかりである。 息抜きに、アメリカ大統領選挙について。 もう投票日から1ヶ月半も経つというの…

1945年8月15日以降の韓国における農地改革(朝鮮半島の土地制度の変遷)その3

調べていると切りが無いので、ある程度の所でまとめてみたい。不足の部分は、後々追記するつもりである。 三つの視点から見てみようと思う。1と2は主として1945年以前の内容になる。 1 火田民戸数の増加からみる変化 2 地主・小作関係の変化 3 共産主義…

朗読劇二公演を鑑賞(白石加代子/仲代達矢・無名塾)

朗読劇を二公演観た。一つは白石加代子の『百物語(第一夜)』(川西町フレンドリープラザ)。もう一つは山形演劇鑑賞会最終公演、仲代達矢と無名塾『人間失格』(山形市中央公民館)である。 前者は以前に見逃していたので楽しみにして行った。老練の演技と…

1945年8月15日以降の韓国における農地改革(朝鮮半島における土地制度の変遷)その2

朝鮮独自の度量衡については、『李朝末期の度量衡』(鶴園 裕1986 東洋文化研究所紀要99巻)が詳しい。計量器の升について、時代・地域によって、また計量する穀物などの種類によって官製・私製の様々な大きさ・形の例が記載されている。およそ統一されてい…

1945年8月15日以降の韓国における農地改革(朝鮮半島における土地制度の変遷)その1

1945年9月8日、米軍が仁川に上陸。この後、戦後の日本支配のために準備していた軍政部が、予定外の朝鮮半島南部に進駐し、半島の体制改革に従事することになる。日本本土は、軍は武装解除され解体されたが、官僚統治機構はそのまま残されて、その上にGHQが君…

雑感 2020年11月28日

しばらく更新しなかったので、見てくれる方も一日に2~3人まで減った。そろそろ書かないとなあと思いながら日々は過ぎた。 まずアメリカ大統領選挙の結果がまだ確定していないということ。この経緯を追っているだけで面白くて(恐ろしいと言った方が良いのか…

雑感 2020年11月5日

一日祝日が入ると一週間が短く感じる。もう明日は金曜日だ。毎日通勤しているからこそ感じられるのだろうが。しかし金木犀剪定の疲れが残っている。まだ完全には終わっていないし、枝の片付けもまだまだなのだが。週末から雨続きのようなのでしばらくはこの…

雑感 2020年11月3日 金木犀の呪い?

庭の金木犀が5メートル近くの高さになって、道路標識にかかり、電線にかかりそうなので自分で剪っている。幹は分かれて上の方は5本くらいになっている。素人だからyoutubeで園芸専門家の動画をみて参考にした。2年くらい自分で剪ろうか本職に任せようか迷…

雑感 2020年11月2日

今日は疲れているけれど、書きたいことも溜まってきたので頑張って書いてみる。 今の職場に入っていく道。正面に千歳山が見える。両側のハナミズキが紅葉していて、赤い実がなっている。きれいだ。 正門を入って玄関に至る坂。針葉樹が並んでいる。とても緑…

雑感 2020年10月19日(追記あり)

以前は高校演劇の大会結果を載せていた時期があったので、今でもそれを目的にこのブログを訪問される方がいるようです。しかし、もう教員を退職してしまい、その上、新型コロナのために各大会は非公開・無観客のため、結果の知りようがありません。 かろうじ…

アメリカ・インディアンとアイヌから人種差別を考える

アメリカインディアンについて、ずっと以前から、その白人から受けた迫害の歴史に関心があった。 その前に、中南米へのスペインの侵略があって、原住民に対する略奪と虐殺が行われた。インカ滅亡の歴史も少し読んでいた。少数の白人が銃と馬の力で国王を捕ら…

近況雑感と「山形県農地改革史」後半について

10日ぶりの更新。もう職場に入って2週間以上が淡々と過ぎた。だんだん添削する生徒が重なってきて、忙しくなっている。課題文が(考察の場合分けが分かりにくく不明瞭な)悪文?で読みにくいものもある。日本の人文系学者の論文は、たまに論拠が確かな事…

雑感 2020年10月7日

1日に勤めが始まって、昨日初めてのお客が来店。いやいや、初めて生徒のAO 入試小論文添削を行った。新しい職場は最初緊張する。顔見せなんかぞっとするがなんとか切り抜けて席にもなじんできた。昼食は学食の定食である。370円。 隣の席がALTで、カナダ国…

雑感 2020年9月30日 明日からお勤め

明日から人並みに毎日出勤することになる。緊張しているのだろう、このところ夜明け前に目が覚める。おかげで血圧も高くなった。 ……………………………………………………………………………… 中公新書の『聖書、コーラン、仏典』(中村圭志)と『民衆暴力』(藤野裕子)を読んでいる。…

青春の歌

今日は、若い頃聞いた昭和の歌をyou tubeで聞いた。時々聞きたくなる歌がある。 たとえば ○ 吉田拓郎 篠島バージョン「人間なんて」 ホールで演奏するときは全然速くないのに、野外の大観衆を前に、全員を巻き込んで速いテンポで歌う、そのパフォーマンス、…

マンガを読んで信仰心(発心)を考える

仏教の中でキリスト教(一神教)に近いのが浄土真宗だそうだ、ということを前に書いたが、最近twitterで話題になっているマンガを発端にして少し考えてみた。 (マンガの一場面を引用しましたが、もし不適当であればすぐに削除します) 今昔物語集の一話(巻…

やっとPCに向かえる気温になった

30℃を超える日も少なくなって、大分過ごし易くなった。 郷土史専門の方に今まで調べたことをほぼ全てお話しして、何か腑抜けたようになってしまった。もっと読むべき資料もあるのだが、暑いのを理由にして冷房の効いた家に閉じこもっていた。ただ、自分の部…

雑感 2020年9月5日

9月1日火曜日に、天童市民図書館の歴史相談室を訪ねる。以前同じ職場だった野口先生が郷土史に詳しい方なので、お電話していろいろ教えを請うたところ、火曜日に「歴史相談室」を開いているので来てみてはということで行ったのである。また、自分の母の実家…

阿部余四男と大内有恒は中学・高校と同窓生だった

明治42年(1909)3月に旧制山形中学を卒業した100数名の中に、阿部次郎と堀三也の弟である阿部余四男と後の山形市長大内有恒がいた。 二人は卒業後、共に仙台の旧制第二高等学校に進学した。高校では文科と理科に分かれただろうが、同郷、同窓の二人は仙台で…

雑感 2020年8月29日

演劇鑑賞会例会、俳優座『八月に乾杯!』観劇。山形中央公民館。ウイズコロナで、検温・消毒・マスク・市松模様の座席指定。前数列の座席が外してある。 岩崎加根子と小笠原良知というご高齢の俳優による二人芝居。設定では60歳くらいだが、お二人とも80歳代…

雑感 2020年8月22日

疫病に負けまいとエールを送るため、昨日は上空にニコちゃんマークが描かれた。自分も含めブルーインパルスと誤解する向きが多かったようだが、エアレーサー某氏の単発レシプロ機によるものであった。物干しにあがって見ようとしたが、何と死角になって見る…

暑いので諸事停滞している

暑いし、お盆でダラダラ暮らしたので更新していなかった。原爆や終戦の記念日もなんとなく過ぎた。まあ、百歳の義理の伯母に昔の事を聞いたのと、従兄弟の家から母の子供の頃の、お稚児さん姿(鳥海月山両所の宮の祭礼)の写真がもらえたのが収穫か。祭礼の…

石川明人『キリスト教と戦争』を読む

石川明人『キリスト教と戦争』(中公新書2016)を読んだ。ジョン・ロックを苦労して読んだ直後だった所為か、分りやすかった。その内容がテーマに関する事実を網羅的に述べていることも分りやすさの理由だろう。(キリスト教国が愚かしく残虐な戦争を繰り返…

ジョン・ロック『キリスト教の合理性』を読む

『キリスト教の合理性』を読んでみた。17世紀末のイギリス知識人が、いかにキリスト教の信仰を人間の理性となじませる?かについて考えたもののようである。 自分のような、日本人的な神仏習合の信仰心をどこか心の底に置いて生きている者にとっては、非常に…

雲外佐々木喆山和尚 寶藏寺23世住職について

阿部記念館でお話をうかがった佐々木さんから佐々木喆山(てつざん)についての資料を送っていただいたので、先に書いたものの誤りを訂正し補記したい。インタビューを録音しなかったこともあり、記憶が曖昧であった。 いただいた資料にしたがって年譜のよう…