日本人の平均年収  衆議院東京15区補選候補者討論会から

衆議院議員補欠選挙の東京15区に9人の候補者が立候補し、告示日に「立候補者討論会」があった。ネットで視聴した。立憲民主党の候補者は欠席だった。なお、一人は選挙期間中にヒマラヤに行くということで、どういうつもりで立候補したのか全くわからない。 N…

銅町 組と契約 その2

以前に「嘉永元年の銅町 組と契約」という記事を書いた(嘉永元年(1848)の銅町 組と契約 - 晩鶯余録 (hatenablog.com))が、それに関する記述を読むことができたので、ここに引用したい。(国立国会図書館デジタルコレクションで「山形市銅町」「銅町」と…

漆山 半澤久次郎家 代々没年考証 その2

漆山 半澤久次郎家 代々没年考証 - 晩鶯余録 (hatenablog.com)から続く。 半澤久次郎家は江戸時代から漆山村の地主で、後に紅花商いから財を成した。明治以降田畑の所有を拡大、村山地域最大級の大地主となった。二代半澤久次郎(俳号二丘)は50歳代の文政後…

菅原安兵衛(曙屋安養信士)について その3

長谷川長兵衛家過去帳にある「菅原安兵衛」戒名「曙屋安養信士」という人物について、長谷川清さんの所蔵する資料の中に関連するものがある。庄司安兵衛という人物と長谷川長兵衛の関係を考えるうえで貴重なものだと思う。 以前に北隣の庄司治右衛門家の旧土…

大石田町に行く 『土に叫ぶ人』

大石田町役場隣に「虹のプラザ」という施設があって先日公演があった。近江正人作・演出の『土に叫ぶ人 松田甚次郎と妻睦子~賢治の夢を生きる~』である。 午前中に着いたが、雪だった。時々吹雪く。さすが大石田。斎藤茂吉が戦後の一時期住んだ「聴禽書屋…

春の息吹

日射しがあって寒くないので、馬見ヶ崎河畔(馬畔=「ばはん」と雅称する)を散歩した。先月で学習指導員の勤めが終わってからほぼ引きこもっていたが、急にある事情があって仙台まで何往復かしたら、バス停への移動だけで足が痛くなったので、運動の必要を…

『駈込み訴へ』

太宰治の『駈込み訴へ』について少し考えたこと。 高校演劇でも題材にされてきた作品だ。一人芝居でもできる、ということもあるのだろう。献身が認められない不満と屈辱、嫉妬から裏切りへ、可愛さ余って憎さが百倍、その内心の吐露が面白いからでもあるだろ…

山辺健太郎『日本統治下の朝鮮』批判

前にも触れたが(朝鮮半島における土地制度の変遷 番外 山辺健太郎『日本統治下の朝鮮』 - 晩鶯余録)、山辺健太郎『日本統治下の朝鮮』(岩波新書776、1971年)の38頁に次のように書いてある。下線は筆者。(2月12日加筆) 「朝鮮人が土地を抵当にして、日…

ゴジラ -1.0

『ゴジラ-1.0』を4Dで二回観た。昭和29年に初登場したゴジラは、その後続編が多く作られ、日本人ほぼ全員に世代を問わず知られる存在だろう。 映画作品の中ではゴジラのいる世界が普通で、登場人物が「あ、ゴジラだ。」と既知のものとして呼ぶような作品…

美瑛 半澤農場

半澤久次郎が明治三十年代から北海道で行った開拓について、今知り得たことをまとめておきたい。以下、年表的に羅列する。資料はほぼ『美瑛町史』による。 1894 明治27年 7月、健吉(宏)没。40歳。⑤爲澄妻キノ、最上三十三観音巡礼。 「空知地方・美唄市西…

令和6年大学共通テスト古文・漢文問題を解いてみた

古文 物語だが男女の恋物語ではなく、友人と和歌を交わしたときの風流な話。 文章は主語に迷う箇所もなく、敬意の対象もわかりやすい。基本的な助詞、助動詞、敬語の知識があれば容易であろう。問題文としては適切だと思われる。 設問中に、この問題文に対す…

半澤久四郎、久三郎 考

山形市漆山の豪農半澤久次郎家について、明治十四年の明治天皇御巡幸に関連して、久四郎と久三郎について考えてみた。(1月15・16日・22日修正) 明治九年六月に大久保利通、九月に三条実美が半澤家に立ち寄った際、彼らの日記には「半澤久四郎宅」と書かれ…

漆山 半澤久次郎家 代々没年考証

以前の記事「旧出羽村と半澤久次郎(3) 代替わり 2 - 晩鶯余録 (hatenablog.com)」でおおまかにまとめた内容に誤認があることがわかり、さらに詳しい資料を知ることができたので、あらためて記事にする。資料の多くは国立国会図書館デジタルコレクション…

『羅振玉自伝』 満洲建国構想

先日購入した東洋文庫『羅振玉自伝』(深澤一幸訳注)を読んで気になったこと。 羅振玉は光緒二十七年(1901、明治34年)に教育制度調査のため日本を訪れている。1866年生まれだから満35歳だった。滞在は12月末から翌年2月下旬(旧暦11月から翌年正月)まで…

江戸時代農民の年貢は五公五民?

2023年10月17日、有本香と百田尚樹によって「日本保守党」が結党され、数日後に名古屋と東京で街頭演説があった。その中で百田尚樹代表が言っていたことでちょっと考えたのだが、要するに、日本の江戸時代の農民は五公五民の重い年貢で苦しんでいたと言われ…

嘉一ボックス受贈記念企画展 山形大学付属博物館

山形大学博物館に行った。『世界一週有田洋行会「オットセイ」のブロニー君と新聞記者後藤嘉一と"大王"後藤ひろひと』という長いタイトルの展示が目当てである。 大王後藤ひろひとはご存じの通り山形出身の劇作家である。後藤嘉一は彼の祖父であり、山形新聞…

映画「君たちはどう生きるか」を観た

映画を観た。「君たちはどう生きるか」、宮崎駿の新作。 で、感想を書こうと思う。まだご覧になっていない方は、以下ネタバレになるので読まないでください。また、人の感想なんぞに興味がないという方もお避け下さい。 (最近マウスの調子が良くなくて、意…

雑感 20230901

何も記事を書かない日が長いのは暑いせいです。という言い訳も納得いただける気候でしょう。気象庁が「異例、特別」というくらいなのだから。 あまりに暑いので、生命維持装置(エアコン)の付いたシェルター(部屋)から出られない日々である。ここ二三日、…

関口教会に行き、ルルドの聖母像を拝見する

文京区の関口教会にある「ルルドの泉」 2023年7月18日(火) 堀三也、九重夫妻の写っているこの写真について、場所は関口教会の「ルルドの泉」前であろうと判断したことは前に書いたが、このたび現地を訪問し確認してきた。 現況は、夏ということもあって植…

「埋立」西側堤防跡を歩く

前の記事で「埋立」に触れたが、埋め立て工事の経緯については『堤防落成記念碑』の碑文によってわかる。この石碑は高さ数メートルの大きなもので、護国神社の真裏に木立に囲まれひっそりと立っている。正面は南側埋立地の方を向いているので、護国神社本殿…

円応寺の旧堤防を歩く その2

まず球技場西側を北上する。下の写真は、南側千歳公園方向を見たところ。手前に上り坂になっている。 すぐ終点。急な下り坂になっている。 終点を下りたところから振り返る。左上のフェンスは球技場の駐車場。 少し進んで振り返る。入り組んでいてわかりにく…

円応寺の旧堤防を歩く その1

山形市銅町はたびたび馬見ヶ崎(まみがさき)川の洪水被害に遭った。文政七年申(1824)の大洪水後、東側に堤防が築かれた。正確な築造時期を知らないが、堤防は明治の初めには既にあったから、おおざっぱに「幕末」と言っていいだろう。このおかげで明治二…

3月からの観劇(高校演劇部公演)

3月11日(土) 17:00~ 山東演劇部弥生公演 『みえちゃったりする』作、福田卓郎 潤色山形東高校演劇部 県生涯学習センター遊学館ホール 入場料200円 ホラー+ギャグの二人芝居。少しお手伝いした。 4月29日(土) 14:00~ 第53回山形県立山形西高等学…

旧土地台帳の閲覧 その4

銅町199番、200番 旧土地台帳は誰でも(身分証明書なしで)無料で閲覧、複写できる。そういう程度に公開されている書類なので、ここでは個人情報ということをあまり気にしないで書いている。 200番は明治時代に、太田~石山~長谷川~大西~横倉~…

旧土地台帳の閲覧 その3

銅町201番から203番について閲覧した 201番は一貫して岩田氏の所有である。これは明治3年銅町絵図の岩田祐太郎の場所であろう。岩田家は現在も銅町に居住する。検断だった長谷川總次右衛門家の末裔のEさんから、自分らが高校生の時漢文を教わった…

旧土地台帳の閲覧 その2

前回、銅町205番の長谷川長兵衛家と156番の小野田平左衛門家について、その土地の所有者の変遷を見た。これはかねての予想を裏付けるものだった。 しかし長兵衛家の戸籍を見ると、この他に157番や161番という地番が出てくる。生まれた場所と亡く…

銅町長谷川長兵衛家について旧土地台帳を閲覧

長谷川甚六家と長谷川長兵衛家について 最近(昨年末あたり)国立国会図書館のデジタル化が進み、蔵書内の人物名検索までできるようになっている。地名と人名を入力すると、たちどころに地方の文献まで検索してくれることを知った。これはすごいことで、居な…

鴻門之会における沛公暗殺計画への項羽の関与その他

鴻門之会における項羽の「黙然不応」と「諾」について 鴻門の楚軍陣地。項羽と沛公の仲直りの宴席で、范増が腰に帯びた玉玦を挙げ、何度も項羽に示す。玦=決であり、決せよの意。「沛公暗殺を決断せよ」というシグナルである。項羽はそれを黙殺する(黙然不…

流行りのChatGPTを試してみた

レスポンスがとにかく速い。 少し使ってみての感想は、まず知識についてはwikipediaの方が頼りになる。 例えば「三太郎の日記」の作者について問うと、「宮沢賢治が書いた小説です」と回答される。違うだろうと言うと、「申し訳ありませんが、先ほどの回答に…

四月になった とても暖かい

「あじまん」の店が一斉に閉店。これは毎年恒例で、次の冬までおあずけ。 昨日、山形市で桜の開花宣言。3月中に開花したのは記録上初めてとのこと。東京では入学式に桜がつきもので、テレビなどで見ていても北国ではまだまだ咲かないのが普通だったのに、今…