流行りのChatGPTを試してみた

 レスポンスがとにかく速い。

 

 少し使ってみての感想は、まず知識についてはwikipediaの方が頼りになる。

 例えば「三太郎の日記」の作者について問うと、「宮沢賢治が書いた小説です」と回答される。違うだろうと言うと、「申し訳ありませんが、先ほどの回答に誤りがありました。正しくは夢野久作が書いた児童文学です」とくる。阿部次郎だろうというと、「いえ吉野源三郎の書いた児童文学です」と言う。

 このように、誤答がなんの迷いもなくスラスラと出てくるから恐ろしい。ほかの答えもすべて信用できなくなってしまう。

 「アルバニア決議」について聞くと1961年と言ったりするし、賛成、反対、棄権の票数も聞くたびに変わったりする。「回答するたびに違うぞ」と言うと、資料がいろいろあるせいだとのこと。そのたびに違う資料を使っているのか? 

 史実について答えるのは苦手という感じだ。特に日本の郷土史レベルになるともうだめだ。もう全然別人のことを答えてくる。ひょっとして実在しない人物や会社を作っているような気さえする。こいつは自覚のない大変な嘘つきか、ということになる。

 AIには嘘をつこうという意識もないだろうから、集めた資料が偏っているか、その集め方、関連付けの仕方がおかしいのだろう。資料批判というようなことはしないのだろう。資料の正確さ妥当さをAIが検証することもないようだ。

 

 おしゃべり感覚でいるのが良いようだ。

 「動物は「祈る」か」と聞くと、「「祈る」という行為は、一般的には宗教的な意味合いがあることが多いため、動物にそれと同じような行為や観念があるかは明確ではありません。ただし、動物にも何らかの信仰や儀式的な行動をする種類もあります。例えば、ヒト以外の霊長類の一部は、死者を葬る儀式的な行動を行うことが知られています。また、エレファントやクジャクなど、死んだ仲間に対して哀悼の念を示す動物もいるとされています。これらの行動には、「祈る」というような明確な宗教的な意味は含まれませんが、何らかの感情や思考が関与していると考えられています。」などと答える。

 

 脚本を書かせようと思って、長さ(上演時間)、時、所、人物を設定したところ、さっそく書いてくれた。20分の設定だからあっというまに終わる。設定を理解した筋書きで、起承転結があるだけでもすごい。ただ、会話が不自然な「ですます体」なので、それを解消し、東北方言で書いてもらうと、かなりくだけた会話になったが、あきらかに関西弁である。

 背景音楽について聞くと、候補の曲をいくつか挙げてくれる。そのURLで検索しyoutubeで聴くと、まあそれなりに内容に合っているようである。内容の意味合いと感動の具合をいくらかは「理解」しているように感じる。

 人物が震災被害者の設定なので、この芝居を実際の体験者が観劇した場合どんな感想を持つだろうかと聞くと、かなりまじめに答えてくれた。

 もっと長い脚本を書かせることもできるだろう。そして少しずつ書き直しさせれば良くなるのかもしれない。

 これで脚本家の仕事はだいぶ楽になるだろう(か?)。しかし、作家性というか、書かずにはいられない衝動のようなもの(「魂」と言った人がいる)は無いわけで、台詞にのせる「感情」も本当はわからないわけで、つまり創作の本質を欠いていると言えよう。

 

 科学系の学問は得意なのだろうが、人文系の学問(特に歴史)は不得手であり、文学は真似事はできるが本当の創作は無理のようである。まあ予想されたことだろうが。