雑感 20210627 新型コロナワクチン接種後の副反応を体験

 24日に二回目の接種を受けた。一回目は丁度三週間前で、その時はほとんど痛みを感じず、一週間後に接種部位が腫れた程度で終わった。

 が、二回目は、注射の痛みがずいぶん違うと思った。これは注射する人の違いによるのだろうな。注射針は細いので、血液凝固抑制の薬を飲んでいても出血はない。接種当日は口の中が乾くようで、なんとなく変な感じだった。夜は3時頃から1時間おきくらいに目が覚めて、トイレに行く。そのたびに水分補給した。朝、熱っぽいので計ると7度5分あった。副反応が出たと理解して、仕事先に電話して休みを取る。私傷病休暇になるらしい。

 昼前には8度まで上がって、さすがに体が辛い。食事は普通に食べられるし、味覚もある。ずっと寝ていて、夕方には朝方くらいの体温まで下がった。夜に埼玉県の友人から電話が来たが、具合が悪いので早々に切り上げさせてもらう。

 翌々日26日はほぼ普通の感じになった。平熱より5~6分高い。肩が腫れて熱く痛い。

 そして今朝は平熱になった。肩はまだ痛い。ブログが書けるくらいに快復した。

 接種したかかりつけ病院には行かず、解熱剤などは一切服用しなかった。

 

 ワクチンについては、ずいぶん否定論が横行しているようだ。重度の副反応が出た、あるいは死亡したという例も流布している。そのためか、副反応が怖くて受けられない人も多いのだろう。

 副反応の実態については、厚生労働省で2万人弱を対象に調査した結果が公開されている。

新型コロナワクチンの有効性・安全性についてについて|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 発熱については次のグラフがある。

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 これによれば、60歳代で7度5分以上の発熱は、男女差があるが、2割弱の人に起こる症状である。若いほど反応する人が多いのは免疫反応が強い所為なのだろう。

 自分の姉は70歳代だが自分と同じように発熱した。遺伝的に似た免疫反応を示しているのかも知れない。職場の隣席の方の父親は90歳くらいで、2回接種しても何も副反応がなかったそうなので、確かに年齢により、また個人差によって違うのだと納得する。

 

 報告された『接種後の死亡例』は、2月17日から6月13日までの接種回数23.245.041回中、277件である。100万回につき11.9件(0.00119%)で、イギリスの16件より少ない。時系列的には増加傾向があるが、高齢者、有基礎疾患者への接種が進んだせいであろうという。 

 なお、日本のコロナによる死亡率(死亡者数/検査陽性者数)は1.86%( 新型コロナウイルス 国内感染の状況 (toyokeizai.net)による)である。『接種後の死亡率』とは比較にならない高さであることが分かる。

 

 死亡例については以下のようである。

 

年齢別

 65歳以上 248例、65歳未満 29例

〈症状の概要に記載された死因等(括弧内は65歳未満(内数))〉
 心不全       37例( 3例 )
 出血性脳卒中    30例( 9例 )
 心肺停止      30例( 3例 )
 虚血性心疾患    28例( 4例 )
 肺炎(誤嚥性含む) 21例( 0例 )
 虚血性脳卒中    13例( 1例 )
 大動脈疾患     11例( 1例 )
 敗血症         9例( 0例 )
 窒息          8例( 0例 )
 その他 状態悪化、心障害、心臓死、心突然死、動脈血栓症、血小板減少関連疾患、自殺、脱水、溺死、肺胞出血、腎不全等

※1同一症例に複数の死因等の記載がある場合は、いずれも計上している。
※265歳未満の接種者数・接種回数の参考:医療従事者等の推定接種者数(6/13時点) 5,196,077人、推定接種回数 9,107,897回接種
※3系統的に死因等を計上するにあたり、今回資料より死因等の記載を、対応するMedDRAPTに再分類の上、計上した。
なお、マラスムスは老衰に変更して記載した。
※4上記は、死亡として報告された事例数の1%を超えた3例以上の死因等について記載し、状態悪化、心臓死等、具体的な疾患を想定できないものはその他とした。

 

 以上であるが、『接種後の死亡』と『接種による死亡』は意味が違うことはお分かりと思う。たとえば「誤嚥性肺炎」や「溺死」の原因がワクチン接種だとは言い難い。

 ワクチン接種がなくても同様の死因でなくなる人は相当数いるわけで、2019年に、65歳以上で心不全により亡くなった方は82.837人とある。

 しかし、心不全が起きるのを「早めた」という「解釈」はあり得るので、100%無関係とも言い難いところがあるのだろう。

 

 この副反応が、後年、妊娠や心臓に異状・後遺症を残すという言説が流布されているが、今現在その実例が報告されていないようだ。たしかに5年、10年後の結果を見れば納得、安心できるだろう。でも、それから接種しても、現在のパンデミックに対しては意味がない。

 今の日本では、医療崩壊が起きるような爆発的大流行は起きず、死亡者も少ないことを理由に、ワクチン接種を否定する人がいるが、この現状は多くの国民の努力によって維持されているのだということを忘れてはならないだろう。

 ワクチン接種が進まなければ、人流の制限、人数の制限が緩和されない。それでは経済も文化も萎縮する一方だ。会いたい人にも会えない。行きたいところにも行けない。

 接種するしないが個人の自由であるとしても、自分が感染し、家族に感染させ、濃厚接触者を多数出してしまう可能性は依然として有る。ワクチン接種によって感染の予防、発症の予防、重症化の予防がいくらかでもできるなら、接種すべきではないか。

 

 

 「医者」の肩書きで物言う人も多い(政府に対して直接提言する方もいる)が、呼吸器系の感染症を専門にする医者でも意見が異なる場合があるのだ。それなのに、専門外の医者がしたり顔に主張する話がにわかに信じられるだろうか。彼らは本当に統計的に正しい資料をもとにして話しているのだろうか。単純化した話(数値)は素人に「分かりやすい」。しかし、これは研究者というよりは似非宗教や集団勧誘のような立場に近いのではないかと感じてしまう場合もある。「医者」もさまざま、いろいろである。