雑感

 未開部族の村で調査に当たる学者たち。彼らの語る伝説の内容に驚愕する。最近発見されたばかりの天文学的知見が、祖先からの言い伝えの中にすでにあるのだった。すわ一大発見か。
 さにあらず。別の外国人調査隊からの知識が彼らの話の中に混入したものだった。
 彼らの時間感覚は、我々文明人の感覚とは異質なのだろう。
 樹木の枝葉で飛行機をかたどり、祈りの対象にしたりすることもあるとか。
 
 すべての起源は自らの中にあるという感覚は、世界と自分との未分化という点でやはり未開なのか。
 
 歴史の解釈(歴史観)もこの伝説のようなもので、現在の自分を支えるために常に都合良く変わる場合があるようだ。さらには自分の無謬性に固執し、事実を曲げたり無視したりもする。
 
 そして責任転嫁に自己正当化。その厚顔無恥にはあきれかえる。
 
 
 以下、北朝鮮と中国の関係について、読んだ本の受け売りです。
 もともと中国共産党の中にも朝鮮出身者がおり、国共内戦の時期には10万人の北朝鮮兵が国民党との戦いに送り込まれた(「日本兵」だった者もいた)。彼らは中国全土で実戦経験を積み、きたるべき祖国統一に備えたのだ。朝鮮戦争で彼らが一気に韓国軍を打破できたのも肯ける。
 一方中国共産党にとって、北朝鮮は補給地、安全な休養地としてなくてはならないものだった。朝鮮戦争で中国が義勇軍を投入してまで北朝鮮を救ったことは、彼らが国共内戦を勝ち抜き、全土を支配するために北朝鮮が果たした役割の大きさを推測させる。まさに血の盟約があったのだ。
 マッカーサーが中国領内を爆撃しようとしたのも、両者の一体であることを知っていたからだろう。
 
 今、中国が国連で強く制裁出来ないのも、北朝鮮が人民共和国建国を強力に手助けした恩人だからなのだろう。