3日は中国の抗日戦勝利70年記念日だった

 天安門毛沢東の肖像の掲げられたこの場所に、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を発せられているスーダンの国家指導者アル=バシールが立った。スーダンでの200万人と言われる大虐殺の罪を問われているのだが、中国はICCの締約国ではないため、公然と賓客として姿を見せることが出来るのだ。
 日中戦争が終わってからの国共内戦、モンゴルやチベットウイグルへの侵略(これを解放と言うのだが)、大躍進運動文化大革命毛沢東のおかげで不正常な死を遂げた人はいったい何人になるのか。それに比べればアル=バシールなど小物にすぎないと肖像画も見下ろしていただろうか。
 スーダンの軍は中国の兵器を装備し、その軍事顧問団から指導されている。中国はスーダンから石油を輸入している。
 この者と並んで共に軍事パレードを観閲したロシア大統領、韓国大統領、そして国連事務総長。さぞかし名誉なことであったろうか。難民問題で発言すべき国連事務総長が、虐殺者と並び、軍事パレードに拍手する図。実に奇妙である。
 朴さんは歴史は永久に残ると言ったとか。韓国軍が済州島や光州でおこなった虐殺、人民解放軍が市民を殺した六四天安門事件も永久に残り、忘れられることはない。中国共産党がなくなっても、その歴史は残る。古代中国の歴史家は、為政者に対して「弑」の文字を記録するのに片足を切られても屈せず、殺されたならば、別の歴史家が代わって記録した。
 歴史を塗りつぶすのは、1日だけの青空を作るほどに簡単ではない。

 しかし、抗日戦では国民党軍が前面に立った、と認めてしまったら、共産党軍の立場、正統性が揺らぐんじゃないか? 

 様々な弾道弾が続くパレードを見て、何を思うか。中国の核は良い核だとか思っている人からすれば勇壮で素晴らしいのかも知れないが、多くは日本を目標にして配置されているのだ。
 空母キラーと称するものは再突入後に進路を変える事が出来る。それは動いている目標を狙うのだからそうするべきだが、それでも直撃することは難しかろう。きっと核弾頭を装備して、米空母機動部隊を根こそぎ消滅させる心づもりなのだろう。メンタルの根底は北朝鮮と大差ないと感じる。いや北朝鮮が真似しているのか。



 安倍首相がかつて言ったことと違うことを言う。これでは今の言葉も信用ならないと強く非難する人がいる。狂人呼ばわりする人さえいる。侵略しないと言っても信用ならない、徴兵しないと言っても信用ならないというわけだ。しかし、政治家なら、「現実」に対応して「理想」を制限する必要がある。
 村山富市氏は社会党党首として自衛隊違憲としていたのではないか。それが連立与党となり、首相となった途端に違憲ではないと主張を変えたのではなかったか。狂人とまでは言わずとも変節漢くらいは言われても仕方ないだろう。現首相に限らず、政治家とは元来そういうものなのではないか。国民はそういうことも含めて現実を見据えて政治家を選ぶのだろう。それが民主主義だろう。ダメな者は選挙で落とされてきたではないか。

 村山氏といえば、今回せっかく北京まで行ったのに、入院して一切の行事に参加しなかったとか。お役に立てませんでしたね。首相としてサミットに出た時も腹をこわしていたと記憶する。外国の食事は合わないらしい。お年なのだからお体大切に。