バラシの手伝いをする

 昨夜、俳優座劇場の「家族の写真」を観た。正味2時間。休憩を挟んだ2幕。終演後、運営担当サークルの人たちでバラシを手伝う。背の高い背景の壁、直径4間の回り舞台などでトラック2台分、大変な量の道具がある。バラシを手伝うと装置の構造や組み方が分かるので面白いし勉強になる。回り舞台の盆が鉄骨構造で実にしっかりしている。いくつかの回り舞台の構造を見てきたが、これほど頑丈なのは初めて見た。人力で動かすのだが、盆から引いたロープを立ち上げさせ、滑車を吊って回していたようだ。この回転と照明の同期による場面転換が見事であった。背景の高い壁は影を出すためのもの。回転と共に影も動く。終了したのは10時半。
 
 この上演が東北公演の千穐楽である。降らし残りの雪を布から集めて袋に入れる。それは廃棄する、ゴミだというので、A先生から「持って行くか」と言われ、喜んで持ち帰る。部室に置いておいていつか使うか、自分たちで作るときの参考にしよう。以前は三角に切るものだと思っていたのだが、四角である。
 
 バラシをしながら(歳なのでサボりながら)A先生と話す。地区大会の本校の上演は観ていただいていないが、かつて本校に勤務され、演劇部顧問をされていたので件の話はよくご存じ。舞台にしようとも考えていたとのことだった。先生はこれまで大会の講師、審査員は極力断ってこられた。人が一生懸命つくったものに1番2番と順位をつけるなんてできないということである。これも見識である。とは思うが、誰かがそれを決めないといけないわけで、芸術の審査というのは本当にむずかしい。
 
 東北大会が目前である。