第42回定期公演終了

 定期公演が無事終了しました。ご来場いただいた観客の皆様、これまでご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。
 
 12月に29年ぶりの東北大会上演を果たした2年生が3年生になって、すぐの引退公演。
 上演時間111分。通し稽古よりテンポが良かった。これはもう観客の反応の良さに助けられてキャストが乗っていった結果である。よく笑っていただいたし、泣いてもらい、感動してもらった。本校の芝居は、昨年の『静物画』のような生真面目なものが多いので、なかなか笑いは起きないのだが、今回のお芝居は『全校ワックス』の時以来の笑いが起きていた。脚本の狙った笑いが面白いように的中するのは見ていて気持ちがよい。
 少女漫画の世界で苦闘する乙女達の姿は、観客に大きなシンパシーを持って受け容れられたと思う。
 部員たちも皆楽しそうに演じていた。体調不良だった照明2年生も復活し、全員そろって公演できたことも良かった。たくさんの差し入れと花束を頂戴する。終演後のバラシ、会館からの搬出、部室への搬入を終えるとヘトヘトだが、山分けの儀式を行い、先輩後輩共々別れに涙して終わる。
 今年の3年生は、入部以来ずっと期待通りの頼もしい学年だった。ほめてやりたい。自分はこれまでに100本は舞台を作ったのではないかと思うが、2時間近い芝居の中では5本の指に入る出来だった。3本に入ると言っても良いかも知れない。北高時代の『頭痛・肩こり・樋口一葉』、南高と合同の『千年の孤独』に次ぐと思う。…あんまり2時間の芝居は作ってないな。全部の中での5本10本に入れよう。
 本番には今年の卒業生が2人(S田とA柳)手伝いに来てくれた。受付からバラシまで手伝ってくれた。かつて『トシドン』をやった卒業生T田も観に来てくれた。かわさきさん(姓変わったのだが)も来てくれた。ありがとう。
 
 生徒にぴったりという脚本にはなかなか出会えないのだが、今回は『ギラギラの月』に出会えて本当に良かった。読めば読むほど、稽古すればするほど深められ、役柄を自分のものにしていくことができた。まあ高校生だから限界はあるわけだが。17~18歳の高校生が20代初めの未婚の女性を演じるのはそう難しくはないようだ。メンタリティーはあまり変わらないのかも知れない。
 
 チケットは前売りで149枚、当日で130枚売れた。ご招待は20枚ほど出した。半券は266枚だった。
 パンフレットは350部印刷して残部72部。つまり278部はけている。本校職員はチケット無しで入場できるから、パンフの数の方が実数であろう。公称270という所か。昨年は入場数262だったので、微増。今年は300を期待したのだが、やはりPTA総会との重なりで担任の先生方が観られないのは痛かった。
 
 以下、装置の画像を載せます。何かの参考になるかも知れません。女子校でもこれくらいはできます。
 質問があればどうぞ。人の舞台を観て技術を盗むのは大事なことだし、経験のある人にどんどん聞くことだ。1人に限らず多くの人に聞くのがいいと思う。
 
*舞台全景(仕込み時)
   四畳半が中心。ドアから出入りする。上手、台所、物置。下手袖が玄関、階段、電話。地がすりが   敷いてあり、廊下部分はフローリング風マットが敷いてある。ホリを使う。
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*下手から上手を見る
   階段を4段上ると右へ折れて、90㎝高のポータブルステージに上がる(上に1段分の高さが置いて   ある)。上がった人を隠すためのパネルが立ててある。下のパネルは廊下の壁。分かりにくいが、    四畳半の壁はない。
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*上手から下手を見る。
   流しとガス台の裏が見える。ドア脇の黒いカラーボックスにスピーカーが仕込んであり、ラジオの音   を流す。四畳半の両脇にある柱は、最後に漫画原稿をつるすために立てたのだが、どうも邪魔だっ   た。
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*下手から 
   ダイヤル式電話器。部屋の中に昔のラジオ(小さい箱)。ドア窓に短いカーテン。三角の板はドア    (廊下側に開く)の支え。ドアの前は踏み込みで平台がない(地がすりが見えている)。
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 毎年5月下旬から6月いっぱいは各校の定期公演が軒並みである。自分の所の練習が切羽詰まってくると他校の公演に行く余裕がなくなってしまうものだが、ずいぶん先に終えてしまう本校の上演には、各校の演劇部員が来てくれる。みんなに今年のスタンダードをまずお見せするという感じだ。
 さあ、今度はこちらが他校の定演を観て回るわけだが、みなさんのお手並み拝見である。