時は金なり

ベーシックインカム(最低保証収入/普遍的な基本収入UBI)の実験をしているアラスカ州カリフォルニア州では月額500ドルが(カードや小切手で)低所得者に与えられる。用途は制限無し。全額酒を飲んでも良いし、ギャンブルにつぎ込んでも良い。しかし、そういう使い方をする人はいないようで、生活必需品や衣類、光熱費などに支払うのがほとんどだという。

大事なのは、一定の収入が確保される事で、心に余裕が生まれることだという。生活に汲汲としている時は考えられない将来のことを計画する余裕が生まれる。あるいは単に、公的料金の支払いや借金の返済に怯えず、安らかな眠りを得られる。

 

「時間泥棒」ではないが、我々(給与所得者)は自分の自由な時間を職場に売り渡して生活している。年金生活者になってみて初めて実感した。一定の年金をもらって、まあそれだけではこれまでどおりのレベルの生活はできないが、時間だけは自由になる。好きなときに好きなことが出来る。天気の良い日は外で活動し、雨が降ったら休めば良い。どんなに良い天気の日でも薄暗い室内に座りっぱなしで勤務しているのと比べたら、どれほど健康的かしれない。

 

近未来においてロボットが仕事をしてくれるようになれば、人間は働かなくて良くなる。その時、人間はどのようにして生活するのだろうか。最低限の食料と衣類と生活必需品を支給されて「自由に」生きるのか。

自分が生きているうちにはそんな心配はいらないのかもしれないが、とりあえず、無職年金生活者の「自由」については体験することになる。