寒い。まるで11月だ。

 台風26号が接近し昨晩から雨が降り続いた。10年に一度の強い台風ということで、JRも県内全線が運休。学校も多くは休校したが本校は普通に授業をした。午後からは雨も止み、風もそう強くはなかった。ただしクラス10人くらいは登校できなかった。
 
 雨が止むと雲も白くなり、合間から青空がのぞいた。
 自分も心の嵐が過ぎれば青空のような気持ちになるといいなと思う。
 でも宮澤賢治のように、俺は修羅だと言い、恐ろしい乱れた空から美しい天上のアイスクリームが来ると言う人もいるから、乱れた心も何かを生み出すものではあるかもしれない。
 
 
 昨日午後は地区の演劇鑑賞教室だった。ほぼ1校750人で観劇。会場はキャパ1500。
 前進座「くずーい、屑屋でござい」古典落語井戸の茶碗」より。
 30分ほど歌舞伎と江戸時代についての解説がある。完全リサイクルの社会だった江戸。店よりも物売りが多くいて、それよりも買い取りの商売が多かったという。紙屑、屎尿から灰まで買っていく。
 物売りの声をしてみせて、観客にもやらせる。生徒はあさりしじみ売りの、男性教員は甘酒売り、女性教員は金魚売りの売り声をまねる。
 
 本編は人情話というか、人の善意の染み渡るお話。こういう話が書けたらいいなとも思うが、元来そういう心根にできていないので仕方がない。
 終演後恒例のステージ見学と役者さんとのお話。今回は楽屋におじゃまして座談会。お疲れの所、長々とおじゃましてしまう。
 
イメージ 1 柳生啓介さん
 
イメージ 2 横澤寛美さん・平澤愛さん
 
 前進座始まって以来の小グループだという。運転手含めて11人が2トントラックで旅をする。いや、演劇教室もお金がないので配慮してくださっているのである。役者が5人、相方の三味線、演出、舞台監督、制作、照明、運転手で11人。装置も少なくて折りたたみ式。ほぼ高校演劇並みのものである。定式幕、書き割りの背景。ちょっとした開閉の仕掛けもある。蝶番は釘を抜くと外れるやつ。パネルは根釘を打っていて、あまり人形立てはない。定式幕の引き方を教わった。レールなので軽い。
 役者の皆さんは、いずれも元々役者になろうとは思っていなかったそうで、人生とは分からないものである。
 台風の影響で、もう一つの班が大阪に行けるかという心配の最中でした。
 前進座は新しい建物に入って、来年から養成所も再開するとのこと。
 
 なお、今日16日の演劇教室に予定されていた2校は休校したため、上演はなかったとのこと。