山形西高第47回定期公演『月の上の夜』

渡辺えり、作 『月の上の夜』 (1989年初演)
平成29年4月30日(日)
 15:30開場 16:00開演 18:00終演(その後7分ほどキャスト・スタッフ紹介、部長挨拶など)
 入場者数445名(前日のリハーサル観覧者7名を含む)

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 4ヶ月(実質3ヶ月)に渡る稽古と準備の末にたどり着いた舞台。いや疲れました。
 28年前、作者30代初めの作品である。今の高校生にはなかなか理解しがたいところがあって、初めの頃は苦労しただろうが、方向性が見えてからは自分たちの感覚で作り上げてきた。
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 観客の年齢層が広かったが、大人の鑑賞にも耐える芝居になっていたと思う。
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 終幕と同時に始まった拍手が1分20秒続いた。暗い中、アンコールを待つが、幕裏ではドレスの姫がイントレから脚立で下りるという事情があってなかなか幕を上げられない。長い長い拍手がついに終わり、再び幕が上がってキャスト・スタッフ紹介。また拍手をいただく。ありがたい限りである。

 観劇していただいた方から感想をいただきました。了解の上で掲載します。

 昨日はお疲れ様でした。わたくし山形で渡辺えりの企画集団「おふぃす3○○」の制作をしてます菊地と申します。一昨年渡辺と一緒に演劇部の皆さんにお会いしたものです。
 昨日は渡辺の戯曲「月の上の夜」の公演を観せて頂きました。渡辺がただ今稽古中でどうしても観に行けない、という連絡を受けて観に行かせて頂きました。約30年前の戯曲です。吉行和子さんら文学座の役者さんが演じてました。えりさんのおばあさんの生涯を描いた作品ということで、どこか懐かしい思いで物語の流れを追いかけていました。とても丁寧に描かれていたと思います。顧問の木口先生が「プロの作品を女子高の演劇部が演じるのは難しい。役の年齢、性別を乗り越えなければならない」と書いておられました。その課題は乗り越えていたのではないかと思います。みなさんの役に対する思い入れや愛情がそれを感じさせないものになっていたと思います。
 決して大がかりではない舞台美術、大道具の中で、部員役者さんの純粋な役への想いが声となって、表情となってスムーズに観客の中に響いてきたと思います。歌のうまさも抜群でした。えりさんの劇団「劇団3○○」の空気感をしっかり感じました。えりさんのみならず、劇団員に観てほしかった舞台だったと思います。45年前、えりさんがこの部員の中にいたのか、と思うと感慨深げでした。カーテンコールの挨拶で「大先輩渡辺えりの戯曲に挑戦した想い」を聞きたかったです。
 また渡辺とともに演劇部の皆さんにお会いできたらと思います。
 お疲れ様でした。
            オフィス3○○ やまがた 菊地悦郎