金木犀

 中間考査後、2学年分の採点に追われていた。テスト問題の作成もぎりぎりで、テスト実施後の2日間は疲れがどっと出て寝ていた。もう一日は課の激励会だった。富山県の高校に一ヶ月間行く方の送別会。飲まないで採点するつもりが、裏雅山流とか楯の川がメニューにあり、思わず飲んでしまう。そんなわけで採点期間も押し詰まり、ぎりぎりで今日の締め切りに滑り込んだ。3日間で回復したエネルギーをまた使い果たしてしまった感じだ。
 衣更えに合わせて早朝の登校指導もあった。台風の最接近した朝だったので雨を心配したが、大丈夫だった。
 
 県大会の準備、特に明日の県大会スタッフ打合せに向けて台本の印刷や書類の整理に没頭していたせいか、今日の演劇鑑賞会例会を忘れていた。白石加代子の百物語。あーあ、嫌になってしまう。
 
 照明の、COMOS→Jascii2の変換ができず、結局は県大会会場で新たに打ち込むしかないと判明。明日はできないから、いつか出向いて打ち込ませてもらうつもり。この件では他校さんも相談しているようで、研さんがうちのことも心配して電話してきてくれたりした。新庄市民文化会館はこの両方が使えるのだそうだ。うちの照明は割と単純なようでいて、7場で30以上Qがある。
 音響も舞台のスピーカーすべてを使い、さらに隠しのスピーカーを仕込んで使う。隠しを使うのは昨年の大会、この春の定演に続いて3作連続だ。観客には明瞭には意識されないが、音の出所が微妙に変化している。照明も音響も、自分が主役になってはいけない、と十分に自覚している。
 
 台本、終わりの部分を中心にわずかばかり書き直してみた。言いたいことを、より直接的な台詞にする。いらない言葉にも気づき、削る。言いたいことに向かってより直線的に進む。
 稽古は本格化していない。演出が校友会役員選挙の選挙管理委員で、部室に顔が出せないこともある。できるところから、思い出すように場練をしている。時間をおいたせいか、地区大会まで気づかなかったことが見えるようになってきた。より分かりやすくしたい。分かりやすくというのは、自然な、しかし必然的な表現を目指すということ。あいまいな表現を極力潰していきたい。
 
 
 昨日、金木犀の香りに気づく。昇降口前の御庭園の木がたくさんの花を付けている。今日はさらに強く、中央廊下を通って部室前廊下の入り口辺りまで香っていた。毎年突然に香りはじめ、すぐに消えてしまう。中庭の石榴もたくさん実を付けている。