井上ひさし生誕77フェスティバル2012 第6弾

 平成24年9月22日(土) 14:34 開演  16:01 終演
 川西町フレンドリープラザ 入場料、3500円(一般前売り)
 『芭蕉通夜舟』 作、井上ひさし 演出、鵜山 仁 出演、板東三津五郎 他
 
 松尾芭蕉の半生を、歌仙に見立てて三十六景にしたお芝居。90分だから、一景平均2~3分。
 芭蕉が一人で居る場面ばかりなのでほぼ一人芝居。便秘で胃腸病だった芭蕉は長雪隠だったということで、はばかりのシーンが多い。この便所の金隠しがひっくり返すと文台になるというのがびっくり。
 3間×1間半くらいの広さで1尺弱くらいの高さの台が回転する(二人の黒子が回す)。中心軸が台の中心にないので、回すと上手に寄ったり下手に寄ったり、前に寄ったりする。台上に芭蕉の葉が立てられたりする。
 最初と最後は舟が出てくる。といっても書き割りであり、袖から紐で引いたりして動かす。最初は料理舟、最後は通夜舟。最後には三津五郎が船頭になる。
 富士山や日本橋、月やクヌギの木の書き割り、首つり用の梁も出てくる。
 
 役者は声も動きも良い。さすが歌舞伎役者。舞台端まで出てしゃべったり、階段に腰を下ろしたり、客席を歩いたり。飽きさせない工夫がある。俳諧を極めていく道筋が明確な行路で描かれる。
 
 とても上手くできているが、感動的と言うまでではなかった。俳諧の講釈が長すぎるか、分かりにくかったりするせいかな