劇団めざましどけい ALARM51

  『スケッチブック・ボイジャー』 作、成井 豊
 平成23年7月16日(土) 18:00開演 19:45終演
 生涯学習センター遊学館ホール 入場料500円 入場数40人くらい
 
 山形大学の演劇サークル「めざましどけい」の第51回公演。うちの今年の卒業生が役者で出ているので観に行った。
 
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 緞帳開いている。間口5間の舞台を横断する、平台2段の高さ。中央1間がやや低くなっている。上手2間は2段の階段になっている。背後に幅2間半、高さ1間のパネル。これは平台上に置いてある。その後ろ、上下にもパネルがあって、両者の隙間から奥に出入りすることができる。出入りは袖からも頻繁にするが、どの袖幕から出入りするかは一定していない。装置が簡素なのは、劇の展開が速く、場面がくるくる変わるためでもある。最後、暗転で終演。カーテンコール後、緞帳が下りてくる。
 
 成井豊のSF。お話は、火星から宇宙最後のサッカー場を探しに地球に来る男カケルの話と、カケルと結婚しようと追う衛星タイタンの王女夕顔とその従者三太夫。宇宙海賊ジャコウとマサムネ。海賊を追う海賊課刑事ダイゴとヤマアラシ。カケルが訪れる地球の「心からの願いの図書館」の館長とニュータイプの女たち。さらに、それが実は漫画「流星ナイト」の中の話であって、その作者のはらと編集者諸星の話に発展していく。
 もうなんだか、めまぐるしく変化していく筋書きに振り回されるのだが、思わせぶりな感情をのせた台詞を観客に直にぶつけてくるのでなんとなく納得させられてしまう。こういうところがキャラメルボックスのフアンの楽しみの一つなのかとも思うが、今の自分にはついていけない世界である。
 非現実的な虚構世界(現実をデフォルメしている)を作り、その中のエピソードで、ある感情を強調してみせるというやりかた。自分も『北斗の拳』(古いな)や『ワンピース』に描かれる友情とか正義とかに思わず感動してしまうので、同じじゃないかとも言えるが。…話が少しずれたか?
 
 役者はそれぞれのキャラクターを活かしながら結構バランスがとれていて、安心して観られる舞台ではあった。衣装はよく考えてある。小道具の銃なども良い感じだし、照明もピンの当て方など上手であった。観客はほぼ大学生が占めているせいか反応も良かった。でも先に言ったように、脚本上の問題から、今の自分には心から楽しめず、拍手する意欲が薄かった。500円の価値はあった…かな。