芝居一座「風」第26回定期公演

 平成26年7月12日(土) 18:00開場  18:30開演  19:55終演予定(計時できなかった)
 山形市民会館小ホール  入場数80くらいか(夜の部を観劇)  前売料金800円で入場
 「光の帝国」 恩田 陸「光の帝国」原作  成井 豊・真柴あずき脚本
 
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 2月の、劇団のら第10出撃の時と同じような演技空間設定。小ホールの舞台を使わず、平土間を横に使うというやり方。
 
 3間巾で3尺くらいの高さがある。上・下から平台と階段で上り下りする。台の後に白いパネル。中央が窓のように大きく開いていて(実際に窓という設定)。さらに奥に白いパネルがあり、8㎜映写機からの映像がそこに映る。映像はタイトルの「光の帝国」となにもない光だけ(フィルムの傷感が出ている)。
 3間幅からさらに黒いパネルが続いている。その前に白い門柱のような物の上に球形の白熱灯。黒パネルの裏には、ハイスタンドに2個ずつパーライトが載せてある(これはダンスシーン?のみ使用)。階段部分には波マシンがあって、台後のパネルに当てる。
 袖前からの明かり、客席後方のイントレからの明かり。ITOも使用していた。調光卓もイントレ脇にあったようだ。
 台の前は下手からソファ(というか病院待合室にあるような長椅子)、小さなテーブルと椅子2脚。上手の椅子の陰(階段の前)に小さな冷蔵庫。テーブルとソファの下には目つぶしのミニブルー。
 ホール天井のミラーボールも回転させずに使用。照明はいろいろなことをやっていた。
 前景の部分は黒いパンチか何かが敷いてある。袖代わりに高い(9尺)白いパネルが立て回してある。上・下対称に、1畳分がドアになっていて出入りする。かがみが無いのでドアの奥にSSが見える。
 暗転中に全体に流れ雲を当てるのはおもしろいかもしれない。
 客席に高低差がなかったので少し見づらい角度もあった。のらさんの時のように平台で段差を作ると良かったかも知れない。
 
 キャラメルボックス流の分かりやすい(すべて劇中で解説される)芝居。
 春田家の秘密とそれを追究する女流映画監督。両者の15年前の出会いから再会まで。
 「ナイトヘッド」や「スーパーナチュラル」の姉弟版か。
 映画監督の、父娘対立と(父死後の)和解のエピソードで泣かせる。
 でも、頭をひねって書いた作品だなという感じがして、今ひとつ心底共鳴ないし感動ないし反発するような作品とは思えなかった。
 
 お話はともかく、猪狩悠希、春田記美子役の方を中心に女性陣は良かった。「絢爛とか爛漫とか」のときもそう思ったような…。一方男性陣は、台詞にこの劇団特有の癖があるというか、声量は十分すぎるほどあるのだが、リアリティーというより調子で発しているような感じがした(平板さと言ったら叱られるだろうか…)。男女で芝居の雰囲気が大きく違うようなのだ。
 弟役を女性が演じるのは仕方がないのだろうが、もう少しボーイッシュな感じがほしかったか。
 
 演出はある程度一貫しているのだが、時たまおおげさな仕草があったり、前述の男女の違和感があったりで、自分だけかも知れないが、集中の持続がやや削がれる感じだった。
 終わり方、猪狩悠希の内心の決着がもう少しはっきりと伝わってほしかったかな。
 
 長い歴史を積み重ねてきた活動に敬意を表します。
 お疲れさまでした。