定期公演を終えて②

 本番当日、会場スタッフの方から、地震で停電の際、避難口で誘導する係を4人置くように言われ、赤く光る誘導用ライトを4本渡される。これを後援委員の生徒を引率してきた生徒課の先生に割り当ててもらうが、実際には生徒にそんな役割はさせられないだろう。真っ先に生徒の安全を確保しなければならない。それに、よっぽどのことがない限り、非常用発電で避難誘導灯が確保されるはずだ。
 
 開場を待って多くの人が並んだ。高校生が多いのは当然。入場無料にしたから高校生は義援金募金箱の前を素通りしていくが、大人の人は募金してくれる。山形市立商業高の演劇部さんからは部としてまとめて義援金をいただいた。
 昨年までは月曜日放課後の公演だったが、今年から土曜日公演になったせいか、入場数が50人ほど増えた。来年も、金曜日放課後仕込み、土曜日午前中ゲネプロ、午後本番でいこう。
 
 他校の演劇部さんから差し入れをいただく。いつも変わったモノをいただく山形南高さんからは、寄せ鍋の素とダイコンとネギ。芝居するのに大根はちょっと…あれじゃないか。山形大学演劇サークルめざましどけいさんからは前日の仕込み時に差し入れを持参していただいた。ありがとうございます。
 
 大量のアンケートを回収する。一通り目を通したが、「感動した」が多いので嬉しい。「生の演劇を観てこんなに感動するとは思わなかった」というのもある。内容が難解だったというものも多い。一方では他校の演劇部さんだろうが、厳しいダメ出しを書き連ねてくれるのもある。謙虚に読むが、多くは台本上のことであったり、個人的好みや誤解によるものが多い。まあ、自分も他校さんの芝居にダメ出ししているから同じだろうが…。自分の所が済んだから、今度は観る番だ。他校の定期公演、どんな芝居が観られるか楽しみである。
 
 会場借用、使用料金は半額減免があって32000円くらい。あと、申請時に支払った14000円があった。これとトラック運搬代は校友会や後援会から7割出してもらえる。制作費はポスター、パンフレット印刷代を入れて7万円くらいか。印刷代は校友会部費から、制作費は昨年集金した部費の残金55000円ほどの中から支出する。うまく収まってくれたようだ。なるべく金をかけないで、しかし舞台映えするように装置や衣装を考えるのも仕事の内。
 
 
 
 今日日曜日は朝8時まで床の中にいた。久し振りにゆっくりした気分。
 
 午後はかつて山形東高校で同じ担任団を組んだH先生の葬儀に参列。この方は寒河江高校校長で退職され、河北町教育委員長などをなさった方。数百人の参列者でメモリアルホールは一杯。直前に行った自分は会場隣の小さな部屋に案内され、テレビモニターで葬儀の様子を見たが、そこにも百人くらい座っていた。教育関係者が多く、見知った顔が多かった。みんな老けたなあ(自分もか)。
 父上も旧制寒河江中学校の国漢の教諭で、90歳の長命な方だったから、H先生が満77歳で亡くなるのは早すぎるように思う。自分は若い時期にH先生の謦咳に接する機会を得て幸運であった。よく遅くまで酒飲みにつきあわせていただき、若造の自分にいろんなことを語ってくださった。
 先生は母上亡き後、父上と二人暮らしを続け、生涯独身であった。
 
 人間の生き方は様々である。中には、このように多くの人たちに慕われる生き方もあるのである。