『JOY TO THE WORLD~上田美和、作「トシドンの放課後」より』③

 9月の地区大会でいただいた講評です。
 あたたかく観ていただいたこと、あらためて感謝します。

 見上裕明 氏
 「創作意欲の湧く役者がいっぱい!」すべての役者が魅力的でした。講評では、長谷川さんと水野さんの名前を出しましたが、男役の菅さん力量のある役者だと思います。私も俳優ですが、作・演出家としては、「この役者さんにこんなことをやらせてみたい」との思い込みから作品を作り出します。そのような意味では、西高が今回一番です。それと、スタッフワークも含めてチームワークの良さを一番感じました。芝居というより、気だてのいい女子高生たちのさわやかな授業風景を見ているようで、とても心地の良い時間でした。せっかく顧問でもあり、作家でもある佐藤先生が、新たな作品創りの方法を示して下さったのですから、今後ももっともっと遊べる可能性をさがしてみて下さい。女子校で男子がいなくても、逆にそれが武器になることがあります。「演劇とは、日常の約束事をこわして新しい約束事を作り、その中で役者が生きる」のです。その中で、客と約束事が共有できれば、何でもありです。ぜひいつか一緒にやりましょう!

 成澤久美 氏
 緞帳開きに浮かび上がる4人のトシドンと怖がる子ども。とてもインパクトのあるわくわくするシーンでした。『トシドンの放課後』という作品を掘り下げて、作品作りに取り組む演劇部の様子を描いていて、部員達が真剣に指摘し、繰り返しシーンをやり直す点にストイックさを感じました。
 平野と森田の心が通い合う様子、一つ一つにどんな感情で行動して次の動きに繋がるのか、演出の指導が細かく、こだわりが見えました。その演出に私語もなくついて行く部員の集中力に、真剣さを感じました。ゆえに、なぜ部員達がこの作品にこれほどのめり込んでいるのか、という点が分かると部員の情熱に感情移入できる気がします。演出や部員たちが素に戻ったときの様子に何か裏があるのではないかと深読みしてしまったので。
 装置は部室を良く表し、稽古の様子も良く伝わり、集中して観ることができました。自習机と森田の座る長机は、もっと手前に出しても良かったと思います。ありがとうございました。

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上の写真は県大会の上演から。