山形演劇鑑賞会第347回例会

 平成27年2月3日(火) 18:30 開演  20:44 終演 途中休憩15分
 山形市民会館大ホール 
 シーエイティプロデュース公演 「さくら色 オカンの嫁入り

 緞帳開いている。間口6間ほど、奥の壁4間ほどの空間(尺高で和室)。壁は高さ2間ほど。奥の壁中央1間ほどが上まで格子の荒い障子のようになっている。ここに奥から照明で影を出す。その上・下にはそれぞれ3尺の引き戸(襖と板戸)がある。この壁は後で左右に開いて後景(何回か少しずつ開かれるが、最後は満開の桜)を見せる。背景は黒幕。斜めに開いている横壁に袖への出入り口がある。壁の上方は日本間とは異質な感じ。これは、後半、主人公の自宅から別の場所(食堂や結婚式場?)に変わるためでもあろう。二間続きということになるが、上手側にはダイニングの椅子、テーブルがある。全体に芝居に対して空間が少しガランとして広過ぎるかなという感じだった。
 

 熊谷真美演じる元気なオカンが酔っぱらって若い男を拾ってくる。そしてその男と結婚(再婚)するという。一人娘は驚き、受けいれることが出来ない。それは、彼女がストーカーから激しい暴力を振るわれて、家の外に出ることが出来なくなり、男に対して恐怖を抱くようになったからである。
 拾われた男は料理が上手く、見掛けによらずまともなようで、次第にその過去も明らかになってくる。
 登場人物?は6人。飼い犬(役者がやる)が語り手になったりする。正司花江が大家役で出ている。漫才だけに観客のくすぐりが上手い。
 夫を病気でなくしたオカンはなぜ結婚を思い立ったのか。
 若い男の祖父の話、飼い犬の急病などを経て、娘は次第に生きる力を回復していく。
 その展開にひかれて、飽きることなく最後まで観ることが出来た。