オフィス3○○公演 「天使猫」

 2014年11月30日(日) 17時開演  19時頃終演  (13時開演の会もあり、完売)
 シベール・アリーナ
 「天使猫 宮澤賢治の生き方」 作、演出 渡辺えり
 
 大震災の年に書かれ、翌年に東京で上演された作品の再演。東北から九州まで11会場で公演。卿の山形公演で千秋楽。
 
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 幕開いている。既にスモーク。上下に台があり、そこに賢治のトランクを置くと、そこから中に入ったり出たりできる。奥に移動する3間幅の高台。これは枠と支えの筋交いだけで、1間ごとに高さが違い、天板はそれぞれ傾斜している。はしごや階段が付属している。両面に横向きの階段が付いたパネル2枚、尺高、1間半四方ほどの台もキャスターで動く。この台は3分の1が折りたたまれて階段状にして使うこともある。
 背景は黒幕。その前に黒い布が垂らしてある。
 役者は20人ほど。渡辺流演劇塾の1・2期生が出ている。猫になったりふくろうになったり、賢治以外は皆複数の役を演じている。
 
 宇梶剛士が宮澤清六と岩手山を演じている。岩手山は何千年もの間に、大津波を何度も見てきた。しかし、人を救うことはできなかった。その辛さ悲しさのため海に入って死のうというのだ。生まれ変わって高い土手と杉の木になりたいという。
 猫は津波の中で子猫を連れ高い木に登る。次第に疲れて子猫を落としそうになるが、そのとき、フクロウが来て子猫を下げて飛んで行く。遠目にはそれが羽根の生えた猫のように見えたと。
 
 樺太で妹トシに再会したかと思うとそこは花巻だったりする。場所も人も変幻自在である。これが渡辺えり流か。歌と踊り、衣装・小道具も満載。
 一カ所、賢治と父の口論シーンが、「イーハト―ブの劇列車」の同様のシーンとはまた違って、真に迫っていたのがおもしろかった。
 
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