山も白くなった。教室にはストーブ(ボイラー使用前の時間帯に使う)。

 県大会講師(審査員)講評
 うちの上演に対していただいた講評文を、明らかな誤字・脱字以外はそのまま掲載させていただきます。
 
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 小林亜希子(俳優)
 
語り手の語りで始まる構成、ワイルダーの「わが町」を思わせる。シンプルで明解に物語の世界に入れて良い。
女学校跡の辺りの照明が暗く、見えにくい場所がある。
履物、塗り下駄より木の下駄が良い。
セリフはよく訓練されていてよく聞こえる。
あいさつをする時、首をかしげるのではなく、きちんと身体を折ってあいさつすると、時代の感じが出る。
その土地の作品であるから、方言なども自然で、きちんと空気感を作ることができている。
上下の移動でホリ裏を使う時、足音が結構響いてしまっているのが残念。急いでいても細心の注意を払うと良い。
空襲のシーンで機銃掃射があるのは、異和感を感じる。
語りで始まった芝居、やはり語りで閉めてほしい。
戦争の体験を語りつぐ上で、とても良い機会となるこういう作品は上演する意義があると思う。これからも 是非続けて頂きたい。
 
 
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 米永道裕(札幌藻岩高校演劇部顧問)
 
 語り手をうまく使いながら、戦中、戦後の史実に基づき、山形第一高女を中心として、その時代を生きた人々を描き、戦争とは何かと問う作品だったと思います。
 舞台装置も簡潔で良かったと思います。照明に関してですが、語り手にはシーリングから一発当たった方が良かったかと思います。表情を観たいシーンで表情が見えない事が少し気になります。全体の構成ですが、時代が前後したり、場所が色々変わったりしながら当時の様々な事をあらわそうとしているのでしょうが、それぞれのドラマが切れ切れになる印象を受けました。例えば、GHQのお偉い方に父を持つハーフの娘ですが、アメリカでジャップと呼ばれながらの生活を余儀なくされ、自分のルーツを知るために母親の母国である日本に来ますが、そのとき、母親が山形の第一高女と関わりがあり(出身でも良いのですが)、日本に行くのであれば山形の第一高女を観ておいで、と言われボディガードを連れ山形に来た所、母親の母校である、第一高女が放火で失われ、校舎の再建と復興に尽力している生徒と出会う事で、よりドラマに繋がりができるのではないだろうか、等とも考えました。しかし、自らの学校の歴史から、様々な事を調べそれを創作する意欲には敬服する所です。役者は互いのコミュニケーションがしっかりとれていて、会話も自然であり、力のある演劇部だと感じました。次回作がとても期待されます。お疲れさまでした。
 
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 ありがとうございました。
 2点ほど。
 
① 空襲の際の機銃掃射ですが、自分も最初は違和感がありました。でも川崎市発行の「戦災の記録」等を読めば分かるように、事実なのです。この点も語り手が説明すれば良かったのかも知れません。
 
② シーリングからの顔当てですが、地区大会会場ではそうしていたのです。狙いが数本取れましたから。ただ、県大会会場のシーリングは灯体数が少なく、回路数も限られているのに、生の他に2色入っているのです。そのため、狙いに回す余裕が1本もなかったのです。これは他校も同じ条件です。事前に仕込み図を見て、狙いが取れるように色を減らすことを要望したのですが、運営担当地区の慣例ということでかないませんでした(無理してフロントから当てれば良かったのかもしれません)。
 
 審査員の方が、会場の設備による制限についてどれほど把握しているか、あるいは歴史的、地域的に特異な事実に対してどれほど先入観なく観られるか。そんなことをあらためて感じた次第ですが、それは要求するべくもない事なのかも知れません。
 
 
 脚本は、手直ししてHPに載せようとしています。というのは、地区から県までの間に変えたのですが、両方のいいとこ取りで完全版にして残したいと思っているからです。