プロセス和 第二回 プロデュース公演

 平成26年9月27日(土)18:00~ 28日(日)14:00~ 於、県生涯学習センター遊学館2Fホール
  「 虎 佐藤陽介一人芝居」 作、佐藤 杏  演出、佐藤紀美    上演時間67分
 
  入場料 1000円(前売り800円、高校生500円)
  入場数、2日間合計で160~170くらいか
 
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 中割幕が、中央2間ほどを残して引いてある。奥に3尺の高さがあり、下手に上って消える階段が載っている。台からは前方に1間幅の階段が3段下りている。すべて黒一色。ホリゾントも大黒幕が引いてある。照明は1サスとSS(赤)。前明かりはシーリングと上下の大臣柱外に置いたスポットのみ(このホールにはフロントライトがない)。
 最後の斬り合いの場面でSSが入り、ころがしで中割に大きな影が出るのが工夫されていた。
 客席後方から出る場面があり、框に来た所でスポットが当たっていた。
 道具は燭台(火影のように点滅する)が1本出るだけ。
 
 役者は1人。相手として兵庫(同僚の若侍)、じいさん(孤児の虎を育て剣術を教えた)、源太(虎が拾って面倒みている孤児の1人)、おたえ(虎同様の育ちで、今は寺で子供たちの世話をしている)などが出てきて会話する。
 また、殺陣がこの作品の見所なのだが、あたかも相手がいるかのごとく立ち回る。音響の刃打ちや斬撃音もぴったり合い、ちょっと県内では見られない殺陣である。映画の「るろ剣」を目の当たりにするかのようだった(予告編しか見ていないが)。
 
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 ストーリーは単純明快、東西の大国に挟まれた小国が、どちらに付くかで国論が二分し、主人公が君主の命で西の国を探索に行くが、兵庫の裏切りで西の国が攻め込んでくる。
 兵庫を斬った虎は自国が備えを固める時間を稼ぐため、一人で軍勢に斬り込む。
 
 結局、虎は、源太やおたえさんとの再会も果たせないままに斬り死にする。
 
 一直線の話だが、大切な人のために戦うことだけが自分に出来ることだという台詞。なんだか特攻隊のような雰囲気でもある。ある年代以上には泣ける台詞だろう。若い世代には何か今ひとつ物足りなかったかも知れない。
 つまり個人的な愛だの恋だのがほしいかも知れない。笑いもないからねえ。
 
 そんな、言ってみれば単純な話を、ひたすらまじめに、たった一人で演じた。それは劇中の虎の生き方そのものだったろう。
 
 幕が降りてすぐに拍手がくる。熱演に対する感動とねぎらいの気持ちがこめられていると感じた。
 
 2回とも観たが、今日の方が良い出来だったと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 佐藤陽介は山形南高校映画演劇研究部OBを中心に結成された「漢劇WORRIERS」の筆頭である。優れた身体能力を生かして、リアルな殺陣を入れた時代劇やコミカルな現代劇を演じてきた。次回出演作にも期待。