学校祭上演終了

 学校祭上演終了。
 
 午前中は校内弁論大会とクラス企画のPR、音楽部、箏曲部の発表。弁論大会には各学年3人の弁士が出るが、3年生の1名は全国大会生徒講評委員長だった。その弁論はなかなか良かったが、より強力な体験を持つ生徒が最優秀、優秀となる。
 
 
 早い時間帯に消えものの海苔巻きを買いに行き(生徒は外出できない)、自分の昼食も買ってくる。
 昼休みに仕込み。最初に舞台面に養生テープを貼ってからパンチカーペットやフローリング風ビニールマットを置いて、上からガムテープで押さえる。何回もやっていると仕込みの段取りも身についてくる。自分たちでできるようになってくる。もちろんスタッフの方も飲み込んで手伝ってくれる。
 
 1時5分から本番。56分と少しで終了。上演中の反応もあり、緞帳が下りきる前に拍手が来てくれた。
 3時半ころに会館から搬出。生徒も手慣れてきている。学校では箏曲部に手伝ってもらい荷下ろし。部室で丸くなって簡単な反省会をして終わる。「楽しかった」という感想が出るのはなにより。明日(学校祭2日目)、明後日(代休)は部活休み。
 いろいろ観劇の感想を聞くが、人それぞれである。3年生部員に聞いてもそれぞれ違う。反省点は多々あるが、生徒も自分も十分自覚しているので地区大会までに修正できるだろう。
 2週間でもっと装置を作らなければ。障子を開閉できる枠と食器棚の完成を目指す。
 
 とりあえず、シリアスでリアルな芝居を作ったつもり。通夜から納棺、出棺、火葬、葬儀までの4日間を描いている。山形風の葬式なので他の県とは順序、やり方が違う。(こういった地域性に関することが審査員に誤解を持たせる恐れがある。たとえば昨年のうちの作品で、戦前の山形の女学生が友人に対して「おれ」と自称することなど。女が「おれ」では違和感があるだろうが、普通にそう自称したのだ。)
 自分はもう何回葬式を経験しただろう。それらの経験を踏まえて、葬祭社への取材も行い、ちょっと特殊な事情を重ねて芝居にした。高校生にはあまり経験はないだろうが、大人の目から見れば、ああ葬式ってこんなこともあるなあと思うことを盛り込んだつもりである。葬式自体がテーマではないが。
 
 脚本と役者の関係は、譜面と演奏家の関係に似ている。理解の程度が表現の差を生む。脚本家、作曲家の意図をどれだけ把握して表現できるかどうか。両者をつなぐのが、音楽では指揮者、芝居では演出家ということになるのか。