ダーク・ファンタジーとか。数年前の映画だが初めて観た。
スペイン内戦後のフランコ政権下、反政府ゲリラと軍の戦い、凄惨な拷問という悪夢のような現実が描かれる一方、地下王国の王女が地上に出て自分を失い、人間世界に生きているが、いつか試練を経て王女に戻り、王国に帰る日が来るという夢想がリアルに描かれる。リアリズムとファンタジーの「共存」と言おうか、「キメラ」と言おうか。
現実逃避の物語と見ればファンタジー部分は少女の夢想であり、そこに登場する怪物たちは現実の不安や恐怖の反映となるだろう。その中心は母の再婚相手のサディスティックな大尉である。(カピタンと呼ばれるが、陸軍では大尉、海軍では大佐か)
怪物の造形はかなり不気味だ。