人権なんてないだろ

 中国で、人権派弁護士が数十人拘束されたようだ。これはもちろん、株式市場の暴落を受けて、財産を失った社会的弱者、貧困層の不満をとりまとめる中心をあらかじめ排除するためだろう。
 経済的に無茶苦茶なことをやって、もうどうにもならない所まで矛盾が膨らんでいるが、その失政を責められ、政権を失うようなことは何としても防ぎたい。しかし、週明けに市場の売買が再開されれば、暴落を支えきれないのではないか。

 19世紀末20世紀初め頃の写真には当時の中国の実態が記録されているが、川岸に重なる無数の死体の写真がある。みな裸だ。貧民は飢え、病んで死んでいくが、遺体はゴミのように捨てられていた。貴族、役人の天下で、農民はほぼ奴隷状態だった。
 翻って今現在の中国はどうか。共産党が貴族、ブルジョアを打倒した後、平等の世界が実現したか?
 なぜ農村戸籍と都会戸籍は撤廃されないのか。これでは農奴制が生き残っているとしか思えないではないか。9億人の農奴と4億人の富裕層?だ。格差社会どころの騒ぎではない。
 今の中国は「社会主義」でもなく、「市場経済」でさえもないことが世界に明らかになってしまった。
 共産党はもう既に「人民」を代表してはいない。今や打倒されるべきは共産党ではないのか。
 腐敗した政権を打倒するのは軍部が常なのだが、「人民解放軍」自体が共産党の一部であり、人民の支持は得られそうもない。
 …はたしてどのような結末が待っているのだろうか。