山形演劇鑑賞会第325回例会

劇団NLT公演 『オスカー』 作、クロード・マニエ 演出、鵜山 仁
6月2日(木)18:30開演 山形市民会館 上演時間2時間20分(2幕 途中休憩15分)
 
 フランスの、ヴールヴァール劇という、もとは食事の腹ごなしの軽い喜劇なのだそうだ。でも2幕で2時間以上あるので、3つのトランクの取り違いをめぐるドタバタだけでは持ちきれなかったという感じ。いやこちらの興味が続かなかったというべきか。ただ洋物は肌に合わないということか。
 
 舞台装置は白と黒を基調にしたモダンな作り。大きなトランク型の枠と小さなトランク型の枠が舞台を縁取っている。社長の自宅居間である。正面奥にドア、そこと上下の袖から出入りする。シャンデリアか? 大小の丸い電球が吊ってあり、来客があると音楽とともに順に点滅する。
 観客席最上段に音響席があり、そこにムーヴライトが数台設置してあって、舞台に文字や絵柄を投影していたようだ。
 
 村井国夫のおどけた仕草や踊りで笑わせてくれる。が、ストーリー自体は、単純な仕掛けをわざと込み入らせているので、仕掛け重視、仕掛け先行である。ドリフターズのコントみたいで、人生の深みから来る泣き笑いにまでは至らない(単に、自分は松竹新喜劇の方が好きだというだけのことかも知れない)。これならもっと短くて良いのではないかと思う。
 
 オスカーというのは村井扮する石鹸会社社長のお抱え運転手の名前で、アカデミー賞とは関係ない。
 終演後、外に出ると雨だった。
 
 3月に予定されていた青年座の『赤シャツ』が震災のために延期され、久しぶりの例会だった。『赤シャツ』は再来年の上演を目指しているという。…自分はもう退職しているな。
 
 青年座は7月に米沢で公演する。出し物は、高橋正圀作の『結の風 らぷそでい』であると。