劇団めざましどけいALARM59

 『Right Eye』 作、野田秀樹  演出、竹中友梨
 平成26年4月12日(土) 18:00開演 19:37終演 【11日(金)18:00~ 12日(土)13:00~】
 県生涯学習センター遊学館ホール  入場数40人以上
 
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 緞帳開いている。舞台は大きな目をイメージしている。上・下四隅にベニアで作った曲線があり、全体的に眼の形(深皿を合わせた形)になっている。奥のホリゾントが白目で、前に立てられた黒いパネルが黒目。黒パネルは外形が1間半四方の大きさで、中に1間四方の出入り口があり、黒い布が下がっている。布を中央から分けて役者が出入りする。袖への退場はホリゾントの前を通るので見える。布の奥に幅1間の黒いパネルがあってホリゾントを隠している(幅が足りず布から少し明かりが透けていたが)。
 白い布を掛けたキャスター付きの長方形の台と2~3のボックス。
 
 上・下の大臣柱の所にストロボとソースフォーがある。後者はラストで客席の壁に星空を出したもの。冒頭、客席最前列のプロジェクターから、黒パネルにタイトルやキャストが映写される。
 
 野田秀樹が片方の目を失明したときの作品と思う。家に脚本があって読んだことがある。が、読むのと見るのとは全然違う。こうなるのか。
 
 「戯曲の世界に生きる野田、現実の世界に生きる自由。
 二つの世界を行き来する一人のカメラマンの存在により、ふたりの運命は絡み合い、戯曲の世界と現実の世界がオーバーラップする。
 舞台は右目とともに取り残された10年前の記憶。
 交錯した世界の中で、残された瞳が最後に映すのは現実か?
 それとも――。」(パンフレットのあらすじ)
 
 カメラマンが命の危険を冒して戦場の残酷な現実を切り取る。では戯曲家が書く虚構は現実とどう関わるのか。戯曲家の言うリアリスティック演劇とは、作家自身どんな犠牲を払って何を写し取って後世に残すのか。
 
 3人の役者が複数の役柄を演じるが、脚本の複雑な転換を上手く演じ分けていたと思う。ただ、野田役が女性であるのはどうだったか。あと皆さんなぜか聞き取りにくい台詞が多かったのが残念。
 
 2日間3上演、お疲れさまでした。折り込みありがとうございました。