平成25年8月25日(日) 18:00(定刻) 開演 20:55 終演 途中休憩15分
開演は定刻より2~3分おした。終演後カーテンコールが4回あった。終演時刻はそれを含む。
川西町フレンドリープラザ PLA’s会員料金 6500円 B列28番で観劇
とても良かった。カーテンコール3回、4回目は手拍子になり、スタンディング。感動の鼻水をすすりながら会場を後にする。
緞帳上がると、前に原稿用紙の描かれた白紗幕が降りている。そこに年月日と場所が投影される。
おなじみ「ぼんぼんぼんの十六日に地獄の釜の蓋も開く」の歌で緞帳上がる。
間口3間、奥行き2間ほどの部屋。尺高だが、周りに一段低い3尺幅の廊下縁側部分がある。部屋の四隅に柱が立つが、転居と共に廊下や柱の位置が変わったり、一部撤去されたりする。奥の壁は、前の幕と同様の原稿用紙の描かれた吊り物。花蛍が消えるために開く。さらに奥に同様の幕?が吊られる。
肝心の仏壇は最初、奥やや下手寄りにあるが、転居後中央に移る。これは最後に、邦子によって背負子で運ばれる。下手の木戸はあるが、上手の井戸はなかったか? 座席の関係で上手袖際が見えなかった。花螢はいろいろなところから現れるが、冬の場面で板塀の上から出たり防火用水?から出たりしたのは驚き。飛ぶ螢はレーザーポインタで表現した。舞台は地がすり。框にフットライトがあり、家の中を照らす。サスは後から照らす感じで、前明かりが月の光のように差し込む効果を考えていたのかと思う。花道の位置から照らすライトもある。
役者さんは皆ピンマイクを着けているので、声の聞こえ方が微妙で、下駄の音などを拾いすぎる時もあったように感じた。マイクで拾わないとならない人もいたのだろう。邦子役の方は舞台俳優なのか、しっかりした発声と表情と動きだった。マイクも不要だったろう。母親多喜役は、少々オーバーかと思っていたが、次第に老いていく感じなど巧みだった。夏子の頭痛の種の一つであることがよく見えた。
栗山演出は、原作の台詞を少し削ったり改変したりして、スッキリ垢抜けした感じに作っていた。その感じは装置によく表れている。
自分は自分の部活でこの作品を演出した経験があるので、台本もよく知っているし、木村演出を大いに参考にしたと思う。台本に忠実に、改変は1カ所、「御瓦解」を「ご一新」にしただけ。だから、今回の演出は新鮮だった。名作にさらに新しい力を吹き込む演出、役者がいるかぎり、井上作品は生き続けると思った。