名取北高校演劇部公演

 「好きにならずにはいられない」 作、名取北演劇部 
 平成25年6月26日(水) 名取市文化会館大ホール 入場無料 
 17:30開場 18:30校長お礼の言葉 18:36同窓会長挨拶
 18:42開演 19:44終演 部員一同整列 PTAより花束贈呈 顧問より募金のお願い
 
 
 8月2日の全国大会上演に向けた壮行公演。名取北高は会場のすぐ近くにある。地元の協力、応援が並大抵ではない様子。1300席の会場が、自分の座った1階席では8割方埋まっていた。全体でも7割は入ったのではないか。雨の降る中ではあるが、多くの高校生が訪れていた。
 
 ここは、あの「河童」が最優秀となった東北大会の会場である。音楽ホール的な作りなので花道はなく、舞台プロセニアムの高さがすごい。ウイングティザーというのか? 黒い板が袖幕の最前列にある。緞帳ではなくオペラカーテンが昇降する。
 
 作品は、東北大会と基本的には変わらない。2回観ることで、新鮮さが薄れる部分とそうでない部分が分かる。ピークを全国に合わせていることもあるのだろう。地元ということで部員全員の顔を見せたいという意向もあったのかも知れない。
 津波の大きな被害を受けた閖上がある地元、屋上の手すりにもたれて以前の風景を語る姉の目が潤んでいるが、この実感が客席にはストレートに通じるのだろう。
 
 この作品のおもしろさの、ある部分は転換にある。ぜひ観ていただきたい(長崎ですが…)。
 照明。サス明かりがぶっちだけで、前明かりもほぼフロントだけという場面があって驚く。下手で2人が歌う場面。単サスを弱くして、顔明かりを持って出るという手もあった。これなら舞台上の転換が見えるのを抑えられる。
 音響。懐かしいアメリカンポップス。作者の趣味ですね。
 役者さんたちは(歩く時に少し揺れるところがあったが)動きがきれいである。雑な動きがない。ダンスもいいが、走り方がいい。声もよく出ている。
 
 全国大会に向け洗練する余裕はある。
 
 仙台から南下すると、沿線に並ぶ仮設住宅が見えた。