私の履歴書スクラップ

 定期公演の後、校長から、日経新聞に連載された蜷川幸雄の自伝「私の履歴書」をスクラップしたノートをいただいた。定期公演のお礼?ということらしい。楽しんでいただけたということだ。部に対していろいろ配慮してもらえることがうれしい。
 
 蜷川氏の演出については、テレビでしか知らないのだが、たとえばギリシャで公演した野村萬斎の『オイディプス王』。力み方がすごいので自分はあまり好きではなかったりする。
 
 外国作品を日本人が解釈すると、より情緒的になるような気がする。たとえば『シラノ・ド・ベルジュラック』。これが島田正吾の『白野弁十郎』になると、最後の、尼になったロクサーヌの前でクリスチャンの(実はシラノの書いた)手紙を諳んじる場面が重要になる。隠し続けた恋心がついに発覚し、相手に通じるが、瀕死の白野はそれを頑なに否定する。この男の心意気がたっぷりと演じられて涙をさそった(テレビでしか知らないのだが)。何年か前にアメリカの劇団が演じたものを(やはりテレビで)観たが、このへんは実にあっさりした感じだった。かえって、戦いの場面などが生き生きしていたように記憶している。
 島田は『白野弁十郎』を一人芝居にしても演じたが、こちらは観ていないと思う(ドキュメンタリー番組は見たような気がする)。緒方拳の『白野シラノ』は、その舞台を生で観ることができたが、師匠の島田よりは軽い感じだった。木刀1本、椅子1脚で軽やかに演じる緒方の姿…。あのころはもう病気に冒されていたのだった。
 
 もう一つ、校長からの提案で、校長の友人である某映画監督さんを招き、半日、部活を見てもらう話が実現することになった。2ヶ月ほど先の話であるが。この方は昨年東京で1時間のお芝居を演出した経験もある。ありがたい話だが、どんなふうになるのか見当が付かない。大会向け作品の立ち稽古を見てもらえるといいかもしれないが、そのためには台本を早く…。