2026-01-01から1年間の記事一覧
前回読んだ論文によれば、「けしき」が漢語「気色」から和語化したのは、10世紀後半であるようだ。 一方で、「けはひ」が登場するのもまた10世紀後半であるようだ。それは、「けはひ」の初出が、『蜻蛉日記』にある1例(近接して『落窪物語』5例、『宇津保物…
〇 昭和45年(1970)の論文 『「けしき」と「けはひ」』光川妙子 『たまゆら』所収 50年以上前の論文だが、興味深い内容がある。 1 『万葉集』には「けしき」も「けはひ」も見当たらない。(『古事記』『万葉集』にある「けしき」は、「異しき」という意味…
『紫式部日記』 寛弘五年八月二十六日 (新日本古典文学大系24 岩波書店) 上よりをるる道に弁宰相の君の戸口をさしのぞきたれば、昼寝したまへるほどなりけり。萩、紫苑、色〱の衣に濃きがうちめ心ことなるを上に着て、額はひき入れて、硯の筥にまくらして…
前に「けはひ」の読みについて書いたが、また少し考えたことを書いてみる。 現在見られる説明では、以下のようなものが一般的であるようだ。 古語の「けはひ」は、本来「ケワイ」と発音されていた。それを現代において「ケハイ」と読むのは、漢字表記に当て…