定演の舞台から 2

 今回、3月に卒業した部員が全員(5人)来てくれた。うれしいことである。地元に進学した子が1人だけだから、全員来てくれるのは望外である。
 前売りで280枚近く捌けていたので、招待券、当日券の分を含めて300人は入るだろうと踏んではいたが、入場数は350人ちょうど。当日券は80枚以上だった。パンフレットは350部しか印刷しなかったからぎりぎりだった(予備が12部あった)。高校演劇部の1回限りの定演としてはなかなか見ない入場数だと思う。キャパ600の会場が結構詰まって見えた。部員数自体が多いせいもあるだろうが、これだけ入っていただけるとは。幕が降りるときの拍手も尋常ではない大きさで感激した。

 ほんとうにキャストもスタッフ(2年生中心)も苦しんで作りあげた。もちろん至らないところは多々あるが、限られた中で出来る限りのことはしたと思う。
 作品がSF冒険ファンタジー?なので、世界観を把握するのが難しかった。ファンタジーといえども演技のリアリティーは不可欠でおろそかにはできない。でないとほんとの絵空事になってしまい、感動は生まれない。生徒演出だけでは不足な部分を何カ所か指摘して作り直した。

 衣装・メイクについては、今写真を載せることが出来ないが、この芝居には大きな役割を持っているので、3人が毎日被服室にこもって縫製していた。家庭科のT橋先生、ありがとうございました。
 小道具はすべて自分たちで考え、材料を調達し、数を揃えて作りあげた。
 照明はリハ・本番まで具体的にすることがないのでひたすら仕込み図とQシートを書き続けていた。
 音響は稽古に合わせて流せるが、SF冒険ファンタジーに合った壮大な曲をたくさん用意してくれた。
 製作は地道にこの公演の成功を支えてくれた。ピンスポットのフォローもあったね。
 演出と舞監にはいろいろ顧問から厳しく言うことが多かったが、よくがんばってくれた。これから演出や舞監をする人は、くさらない、くじけない、逃げないメンタルが必要だから心しておいてください。


 さて、装置の2つ目は背景の宿り木(大樹)の吊り物。昨年の定演でも時計塔の吊り物があったが、作り方はそれと同じである。新聞紙(3枚重ね)にネットを貼って補強した物。舞台間口(6間)いっぱい、タッパいっぱいある。
 舞台ほぼ全面に黒い地がすりを敷いた。4~5年ぶりである。大会では使わないから、今の生徒は経験がない。なぐりとバールを各自持参。まだ袖幕が降りていないので広く見える。
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 上・下3間ずつに分けて作製し、中央幹の部分で重ね合わせて吊っている。
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 半分まで上げて、ネットのない部分の枝の弛みを黒い糸で補修した。劇中の昇降があるので、前後のバトンの灯体などに引っ掛からないようにしなければならないのだ。
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 裏から見るとこんな感じ。ホリゾントに色が入り、木漏れ日を当てるとそれらしく見えてくる。
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 作りは単純な物だが、これだけ大きいと作るのは容易ではない。3人の装置さんが中心になって、ずいぶん前から取りかかってくれたのでできたのである。
 結構な重さにもなったので、綱元のウエイト調整が必要で、いったん飛びきったバトンを下ろすのにロープを結び垂らしておいて、力一杯引き下ろさなければならなかった。
 昨年同様、いやそれ以上に、劇中での昇降をお願いしたスタッフのT田さん、ほんとうにありがとうございました。K藤さん、S藤さんにも毎度の事ながら大変お世話になり、感謝、感謝です。


 DVDからキャプチャーしたラストシーン。樹はこんな感じ。
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