山形地区高校演劇教室 上演劇団による生徒研修会

 10月21日(月) 16:30~18:30  山形県県民会館(やまぎんホール)
 参加生徒、およそ100名(山形地区の演劇部員)。
 前進座の役者さん、スタッフによるワークショップ。
 前半30分はスタッフ、役者に分かれてのお話。舞台上では幕引き実演や、拍子木の打ち方をやっている。自分は照明スタッフの館内設備見学ツアーに同行。
 下はシーリングから舞台を見下ろしたところ。ここに上がったのはずいぶんと久しぶりのことだ。
 舞台上には靴を脱いで上がる。
 
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 後半45分ほどは、全員が3班に分かれ舞台を歩く。組んであるセットを使って、上手袖奥にある神社のお祭りに行き来する人たち(江戸時代の人)という設定。各自、おかみさんとか小間使いとか老人、町人、武士などの役柄を割り当てられる。花道や袖、舞台上に待機して、定式幕が開くのに併せて歩き出す。
 というだけなのだが、そもそも歩き方から教えられる。和服、雪駄の歩き方なので歩幅が狭く、すり足で、手を振らない。和服はワンピースなので腰の上下でひねりにくいから重心が下にある。
 洋服に靴の場合は足を蹴って歩くし、歩幅が大。上・下セパレートだから重心が上にあって動きも大きく、手を振って歩く。服飾史が動作を決定している。これが国柄である。役柄を表現するにはそういうことも考えなければならない、という教え。
 
 
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 与えられた役柄を表現するには、1つ与えられたことに対し3つ考えることが必要。役柄をパッと捕らえようとする気持ちがなければ役者にはなれないと。
 一体この役柄はどこに行こうとしているのか、何をしようとしているのか、考えなければならないと教えられて2回目の歩き。少し小芝居が入ってそれらしくなる。物売りの声を出す者、物を拾って前を行く人に落としましたよと声をかける者など様々。お祭りに向かう人々、参拝帰りの人々の流れ、全体の雰囲気が見えてくる。おしえてくださる役者さんもうれしそう。
 何より気持ち、考えることが大事である。
 しかし、時間の限りがあり、この後江戸時代、歌舞伎を理解する上で知っておいたら分かりやすいということを教えていただく。和傘の開き方、置き方。つけ板での音響効果、太鼓の音で自然現象(風、雨、雪)を表すなど。
 
 生徒たちには、たいへん為になった内容でした。数人の皆さんで100人の高校生を動かす巧みさもありました。高校生はもう少し真剣に集中してくれたらもっと良かったかな。