第43回定期公演終了

 入場数289人でした。ありがとうございました。(目標の300人まではなかなかたどり着けませんが、毎年漸増してはいます)
 途中休憩無しでの2時間を少し越える上演時間でした。最後までご覧いただいた皆様に感謝申し上げます。
 
 直前のゲネプロは2時間15分から20分で、間延びしていましたが、本番は多少締まったようです。
 アンケートは105枚(入場数の36%)いただきました。すべて読ませていただきました。日頃人様の芝居について感想を書いている身として、自分のところの芝居に対する感想はより真摯に受け止めなければならないと思います。
 
 この作品は2ヶ月で作りました。登場人数の多い場面もあり新入部員をあてこんで、幸いに11人が入部しましたがその指導には1週間ほどしかあてられませんでした。短期間によくやったというべきか、こんな作り方は無謀だというべきか…。
 
 壮大なファンタジーの世界を現実の高校生がどこまで表現できるか。プロの演出家やスタッフが総力あげて作るようにはいきません。CGで映画化するのとも違います。思い描くイメージに対して、実際に作る物は妥協の産物にならざるをえません。意外に良くできたじゃないかという自己満足と、こんな風にしかできないのかという挫折感とが絶え間なく交代します。
 
 生徒はこれまで、現実の中に一部夢のような場面が混入する作品は経験していますが、そもそも非現実的な世界観の中で役を演ずるのは初めてといっても良いでしょう。これまで大会作品などでやってきた演技とはいささか違った不慣れな表現を要求され、作品世界の統一感という点で力及ばなかったように思います。
 
 
 部室に帰って、3年生から新部長の指名があり(例年こうやって決まる)、世代交代が行われる。
 3年生から一言ずつ引退の辞がある。部長の辞、
 「どんなに大変な仕事でも、自分でそれをやると決めたのだからいいのだ。たとえ1人で多くの仕事を抱えても自分の意志でやっているのだから泣き言とか、文句を言わない」
 この子はほんとうに黙々と誰よりも仕事をしてくれた。最後に他の部員への説教じみたことにはなったがみんな納得して聞いていたようだ。
 
 皆個性的で喧嘩もあったメンバー、どうやってまとめているんですかと聞かれたりもするが、まとめているのは顧問の自分ではなくて、芝居である。何があっても観客の前で幕を上げなければならないという責任感である。出来る限りの最高の芝居にしたいという気持ちである。これがなければ、この部活はやっていけない。と新入部員も含めた全員に言う。
 
 もう彼女ら(3年生)と芝居をつくることはないのだと思うと寂しさを感じる。