平成24年7月28日(土) 午後2時、午後7時の2回公演 (午後の部を観劇)
山形市民会館大ホール 入場無料
市民の手づくり舞台による平和へのアプローチ
もう四半世紀を超えて続けられている公演。その努力の継続に敬服する。第二次世界大戦後67年、なお世界に戦争は絶えず、人の死と、その死を悲しむ人の数は減っているように思われない。そのことに絶望しそうな我々を鼓舞するように、これらの作品は上演され続けるだろう。
19:05 開演 19:38 終演
記録、手記、詩などで構成した、原爆投下時の庶民の生と死。自分も多くの記録や手記を読んできたが、数十万人の記憶すべてに触れることなど誰にもできない。同じような経験なのかもしれないが、一つ一つは置き換えられない個別の悲劇である。
家族の遺体を野焼きする煙があちこちで立ち上る。「お母ちゃんはたちまち燃えて、骨が熾(おき)の間からぽろぽろ落ちました」「その場所を掘ると黒い炭が出て来ます。そこを見ているとぼおっとお母ちゃんの顔が見えてきます。他の子がその場所を踏んだりすると腹が立ちます」
30人ほどの朗読者。小学生のかわいい女の子2人も朗読に加わっている。
第2部 朗読劇 少年口伝隊 一九四五 井上ひさし 作
19:40 開演 20:41 終演
川西町フレンドリープラザで観劇した時に感動した作品。上演時間はほぼ同じ。人数はこちらが23人+ギタリストで、ほぼ倍。若い男性、年配の男性がおり、それぞれ少年とじいさんを演じる。
1200席という広さのためか、こちらの期待値が高すぎたせいか、「感動」というまでにはいたらなかった。第1部の稽古を小ホールで聞いたときはかなり良いと感じたのだが、やはり広さの問題があるのかもしれない。川西の時は12人が舞台前方に1列に並び、背後の台上にギタリスト、スクリーンがあった。このコンパクトさが舞台への集中力を生んだかもしれない。10間近い間口を持つホールで演じるのは難しかったか。
中割幕の裾を引っ張って弧を描き、半円の空間を作る中にホリゾントの明かり(さまざまに染まる)、プロジェクターからの投影(原子雲の映像や詩)。背後のサスから原爆の閃光を表現する強烈な逆光。
3台のポータブルステージが横に並び人が立つ。その前に階段(2段)状の台。人が腰掛けたり立ったりする。中央が2間幅、上・下が1間半幅くらいだから、主要な舞台は間口5間くらいであるが、下手袖近くにギタリストが座る。音はマイクで拾ってスピーカーから聞こえる。