初の通しだった。

 27日(金)に第12回アトリエ公演(公開練習)を行うのだが、この連休は東北大会を観に行ったりして練習が出来ていない。今日は初の通しをしたが1時間を超えていたようだし、台詞が抜けたり棒立ちが目立っていた。なかなか稽古に役者がそろわない、演出が不在という日も、ということもあるが、基本的にはこの芝居の構造やベクトルが把握し切れていないのである。つまり、芝居の向かうべき方向が明確でない。
 
 演出というのは実に難しい作業であることが分かる。あと、マネジメントをする舞台監督の不在(そもそも今回はいない)も大きい。
 
 今回の東北大会でも、たとえば「全校ワックス」を挙げて言えば、一見ただ単に駄弁りながらワックス掛けしているだけの話のようだが、一体これで何が言いたいのか、と。演ずる側は何を見せればいいのか、演出・役者は理解していただろうか? 観客には、「今のは一体何が言いたかったの?」という疑問が残った。あの作品はもっともっと笑えるし、心に染みてくるものであるはずだ。
 
 これは他のいくつかの上演にも共通すると思った。あるレベルには達しているのだが、作品世界の展開していくべき方向性とエネルギーが弱いように感じた。それはラストシーンの観客の反応で分かるだろう。
 たとえるなら、ピタゴラスイッチのようにボールが進んでいくのを見るのと、ただボールが床を転がって行き壁に当たって止まるのを見るのとの違いと言ったらいいか…(違うか)。
 
 あとは舞台設定、舞台美術等の問題もある。ワックス掛けの場所は廊下のような細長い所ではなかったか? 段ボールの島はセンターでなくて良いのか? ラストで島を下りてなぜ丸く並ぶのか? ホリゾントは必要だったのか?
 原爆被爆後2、3年の時期の、雨漏りのする家をあんなきれいな襖だけで表現していいのか? 8月に亡くなった父が長袖の国民服姿でいいのか? 演出の考えるべき事は山のようにあるはずだ。
 
 
 
 11日からの腹下し、それが一旦快方に向かって、日頃の3分の1から半分程度は食べられるようになったのだが、18日からまた逆戻りしての東北大会観劇だったので、特に初日の体調は良くなかった。(そんな無理して行くなよということですが…)それで、少し芝居が単調になると寝てしまうのでした(それでいてこんなダメ出ししてすみません)。
 
 金曜日はお休みをいただいて顧問だけ、土曜日は生徒部員13人と観劇。この日は新庄南さん、山形北さん、庄内農業さん、天童さんなども来ていた。日曜日はうちの部員は1年生4人だけだった。冬季講習のある学校もあり、来られない部も多かった。
 
 日曜日朝、うちの部員がO部先生に「ニッポンSFジェネレイション」の感想を申し上げたのだが、みんな「照明が良かったです」としか言わないので、O部先生から「照明だけの芝居だったんですね…」と言われてしまう。そんなことはないのですが、照明担当の子ばかりだったもので。